カエルの公式

 こんにちは。
 今年もすでに2月下旬、早いものですねー。体調など崩されてはいませんか?
 さて、前々回にご紹介した熊本県の日本初のダム撤去の続報です。  先週、私も荒瀬ダムを見学に行く機会がありました。今回は、その様子を写真やビデオでご紹介し、ぜひ皆さんにも現地を視察に行ってほしいとのお願いです。

SLが走る球磨川

 本題に入る前に場所のおさらいですが、球磨川は以下の地図(つる詳子さん提供)で赤く示されているところです。下流は八代市、上流にはSLで有名な人吉があります。球磨川沿いをSLが走っているところをテレビなどでも見たことがある人もいるのでは?

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 実は、SLが走っている人吉が近いことは現地に行ってポスターを見るまで気が付きませんでした…。ちなみに、SLは3月から運行なので気がついていても乗ることはできませんでしたが。

ウナギやアユで球磨川は真っ黒に…

 前々回このブログでもご紹介した、つるさんらと現地でお会いし、さらなるお話を聞かせていただきました。

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(荒瀬ダムの前。写真左がつるさん)

 まずつるさんが「ぜひお話を聞いてほしい」と連れて行ってくれたところは、球磨川の漁師である福嶋さんのところ。

 福嶋さんは、生き生きとした口調でいかに球磨川の自然がダム建設前には素晴らしかったかを語ってくれました。その子供のころの思い出は、いまでは想像しがたい自然の豊かさ。
「アユやウナギで、川は真っ黒だったよ」
「腕の太さぐらいのウナギがたくさん」
「ホタルの光で新聞が読めるぐらいだった」などなど。
 福嶋さんがお話をしてくださっている一部をつるさんがビデオに撮ってFacebookに掲載してくださっているので、ぜひ福嶋さんらのお話を聞いてみてください。つるさんいわく、福嶋さんらが荒瀬ダム撤去に尽力してくれた立役者だそうです。

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Facebookに登録されている方は、ぜひこちらの動画をご覧ください。

荒瀬ダムの本格撤去工事

 こちらが球磨川の風景と、荒瀬ダムを上流側から見たところです。

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 2013年の2月からいよいよダム本体の撤去工事がはじまっています。

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でも上流にはまだダムが

 しかし、荒瀬ダムの上流にはもう一つ大きなダムがあります。それがこちらの瀬戸石ダム。冬の間、写真のようにゲートが上がっているそうです。ゲートが上がっていれば、水が流れるので、水の濁りなどが少なくて川の状況は良いようです。

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 ただ、荒瀬ダムが撤去されても、この瀬戸石ダムのゲートが閉まってしまえば、そこにたまる土砂や、魚などの行き来を妨げることになり、自然環境への影響があります。
 今後、この瀬戸石ダムの撤去に向けてどうするか、つるさんも考え始めているようでした。

よみがえった干潟

 最後に連れて行っていただいたのが、球磨川の河口に広がる干潟です。

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 夕暮れ時だったので写真ではわかりにくいですが、干潟は写真の右上に向かって永遠と伸びています。荒瀬ダムのゲートが開いてから、上流の豊かな土砂が河口に流れることによって、干潟はどんどん広がり、豊かになってきたと言います。
 このきれいな干潟を見て、「荒瀬ダムを視察するなら、絶対に干潟を見なければダメ」とつるさんがおっしゃっていた意味が分かりました。

SLで荒瀬ダムに視察に行くのはいかが?

 今回視察に行って思ったのは、「日本初のダム撤去」なのに、八代市がそれを積極的に広報していないこと。
 つるさんも「もっと積極的に視察を受け入れれば良いのに」とおっしゃっていました。
 こういう自治体「日本初」の事例は、積極的に広報すればたくさんの視察がやってきて、地元にお金がおちる「観光」資源にもなります。私が関わった徳島県上勝町で2020年までにごみをゼロにしようという「ゼロ・ウェイスト宣言」でも、その後多くの視察や見学を受け入れたと聞いています。
 無駄に「ダム建設現場」なんかを視察に行くよりも、「日本初のダム撤去現場」の視察なんていかがでしょうか? 
 もうすぐ春ですね。球磨川沿いには、桜がきれいなスポットがたくさんあるようです。

 人吉のSLが桜の中を走る映像をテレビで見たことがあります。
 SL観光と一緒に、社会見学をかねて、ダム撤去を観行に行くのも良いのでは?
 その際には、市役所に「荒瀬ダム撤去の視察に行きたいのですが」と問い合わせてみると、八代市もその需要の多さに気が付いてくれるかもしれません。
 自然環境のために良いことならば、それをしっかりと市民が評価して褒めるのも、「社会を変える」重要な方法ですよね。
●荒瀬ダム撤去の状況はこちらのFacebookページでどうぞ。

https://www.facebook.com/arasedam

 

  

※コメントは承認制です。
第20回 日本初のダム撤去サイト、SL汽車で視察はいかが?!」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    批判も、問題点を指摘することももちろん重要だけれど、
    「うまくいった」「よかった」ケースを改めて見直し、きちんと評価して広げていくことも、同じくらい大事。
    お花見がてらの「ダム撤去現場視察」ツアー、この春の旅行に、いかがでしょう?

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佐藤潤一

佐藤潤一(さとうじゅんいち): グリーンピース・ジャパン事務局長。1977年生まれ。アメリカのコロラド州フォート・ルイス大学在学中に、NGO「リザルツ」の活動に参加し、貧困問題に取り組む。また、メキシコ・チワワ州で1年間先住民族のタラウマラ人と生活をともにし、貧困問題と環境問題の関係を研究。帰国後の2001年、NGO「グリーンピース・ジャパン」のスタッフに。2010年より現職。twitter はこちら→@gpjSato

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