木内みどりの「発熱中!」

映画、テレビ、舞台と幅広く活躍してきた女優の木内みどりさん。
3・11以降は、脱原発についても積極的に活動しています。
脱原発への思いや憲法のこと、政治や社会参加についてなど、
日々の暮らしや活動のなかで感じていること、気になっていることを
「本音」で綴っていただきます。不定期連載でお届けします。

第10回

英語じゃなければ…

 2月15日。朝は米国、深夜には英国と、電話取材とSkype ミーティング。 1日にこういう2つが重なるとは珍しい偶然ですが、受けるこちらとしては 朝の9:00と深夜24:00というのは、ありがたいようなありがたくないような…(笑)。
 聴いてくださる方に失礼にならないよう、寝起きの雰囲気が出ないように、7:30には起きて洗面、 着替えもしてお茶もして、固定電話の前に座って待ちました。

 かけてきてインタビューしてくださるのは、アメリカ・カリフォルニアの「Nuclear Hotseat」というPodcast(ポッドキャスト)で、福島第一原子力発電所事故から4年目を迎えるFUKUSHIMA特集への電話出演です。日本語で話して、英語とドイツ語に吹き替えられます。

※Podcastをご存知ない方は、こちらを。

 1979年3月28日、アメリカ・ペンシルべニア州のスリーマイル島原子力発電所事故があった時に、原子炉から1マイル(1.6km)に住んでいて被災したLibbe HaLevyさんが、2011年3月11日の福島第一原発電事故を知って、地球の未来と人間の未来のためにできることをしようと立ち上がったのが、この「Nuclear Hotseat」の始まり。
 Facebookに書いたことに反応をした2人と繋がったことがきっかけで、社会に向けてアクションしていこうとはっきり決意。2011年6月14日に立ち上げました。

世界中の人が聞いているボッドキャスト「Nuclear Hotseat」を立ち上げた、Libbe HaLevyさん。画像はNuclear Hotseatのサイトより

 Web上での発信は、テレビ・ラジオや紙媒体に比べて安く手軽に運営できます。 この「Nuclear Hotseat」では、アメリカのみならず世界中の「原子力発電所関連」のホットな話題を取り上げ、毎週一度更新しているので、今や、巨大なPodcastになっていて世界中に注目されています。
 英語だけでなくドイツ語でも聞けますし、これからさらにスペイン語、フランス語と増えていきそうです。 去年3月のFUKUSHIMA特集にも出演させてもらいました。

 内容を聴いてくださる方はこちらから、どうぞ。

 英語といえば…。

 「さようなら原発1000万人アクション」の司会をさせていただいていて気がついた「英語表記」。
 集会のステージ上のどこかに、また、デモ行進をする先頭が持つバナーのどこかに英語表記があれば世界に発信できるのに、一切なくて日本語表記のみだから、世界の目を集められない! 世界の人は「福島の現在はどうなのか」を知りたがっているのに、日本のメディアは真実を発信しない。
 日本人以外に読めないんじゃ効果がないじゃない! 世界は英語で回っているのだから英語じゃないと…。 毎回、主催者の方に提案・お願いをしました。 何度も何度も何度も、提案・お願い、そして、懇願しました。

 やっとできたそのバナーを集会で使用後、捨ててはもったいないから英国の脱原発グループ 「JAN UK」に届けました。 とても喜ばれました。
 そして、前々回のここのコラムで書きましたように経産省前テントひろばにも英語のバナーをプレゼントすることにしました。

 バナーはもう出来上がっていて、20日に制作してくださった真島辰也さんと設置してきます。

 下に赤いラインがついているものです。
 かわいいでしょ?
 あぁ、うれしいうれしい。
 思いついたことを提案して同意が得られ、たくさん賛同の声をもらい、でも、でも、私自身がやることになり、私自身のお財布で賄うことになりまして、その展開に微笑んでしまいますが、ま、実際に効果が見えてることですもの、そのまま実行すればいいだけのこと。
 はい、設置できたら写真を撮って、次回のここでお披露目します、ね。
 で、そのバナー、作る過程を聞いていて、また、思っちゃいました。
 用意した生地を経産省前テントひろばにすでにある日本語バナーとサイズを揃えると、下半分くらいが余る…とのこと。
 ならば2枚作ればいい!

 「またLondonに送りましょうか」と深夜のSkypeミーティングで話すと、参加されていたドイツ・ベルリンで脱原発アクションされている方が「ベルリンに欲しい」という展開になり、はい、ベルリン行き決定です!

 「Nuclear Hotseat」でインタビューしてくださったBeverlyさんと話していて、いくつも思いつくことがあって、Beverlyさんも「それはいい!」とノッてくださって、2つの企画が生まれました。これからゆっくり育てていきたいと思います。

 せっかくインターネットという超・超・超便利な道具があるのですから、外へ外へと発信して、つながっていくと、なにかが始まっていきます。なにかが動き出します。「Nuclear Hotseat」 のLibbe HaLevyさんや、Beverly & Yujin Kanekoさん、「JAN UK」の方々、Katharine Hamnettさんや、ベルリンの方々…。
 「どうしてもどうしても、原子力、もう卒業しなければ」…と願う人たちは強く繋がっていきます。

 ここで募集させてください。
 英語のできる方ぁ~、集会などに参加してその集会の「あらまし」を2~3分の英語で話していただけませんか? お手伝いくださいませんか?
 ネイティブじゃなくていいのです。
 発音だってジャパニーズ・アクセントでいいのです。
 文法だって適当でいいのです。
 気楽に楽しんでやってくださる方、ご連絡くださいませ。
 このコラムへの投稿スペースに書いてください。

 そしてぜひ、3月28日土曜日にある「さようなら原発 1000万人アクション」に参加してください。

◎フクシマを忘れない! さようなら原発大講演会◎
 2015年3月28日(土)18:30開場 19:00開演
 新宿区立新宿文化センターにて

<お知らせ>
ラジオフォーラムの本『ラジオは真実を報道できるか 市民が支える「ラジオフォーラム」の挑戦』が岩波書店から2月26日に発売されます。
幸運なことにわたしは小出裕章さんと対談させていただきまして、おまけのようなページに掲載されています。

INFORMATION IS POWER !

 

  

※コメントは承認制です。
第10回 英語じゃなければ…」 に2件のコメント

  1. magazine9 より:

    「INFORMATION IS POWER !」と力強いコメントで締めくくられた今回の記事。福島に注目してくれている人が世界中にいると思うと、心強くなります。国内の大手メディアがなかなか真実を伝えないといわれているなか、ウェブサイトを使って自分たちの手で情報を発信を行い、また情報を得ている人たちがたくさんいます。まずは動きだすこと。そうすれば木内さんのように、世界が広がっていくのかもしれません。

  2. タソガレ・クロベエ より:

    「英語じゃなければ・・・」とは文化省が喜びそうなご意見ですね。言葉の問題以前に、発言の内容があります。日本語の達者な特派員もたくさん居ますから、内容に価値があれば、翻訳して伝えるでしょう。現総理の英語力は知りませんが、仮に英語が達者だったとしても、あの水準の喋りを世界に伝えられては、かえって落ち込みます。英語帝国主義の問題もあります。英語人が懸命にこちらの発言を理解しようと頑張りだすような水準の発信をしたいものです。  クロベエ

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木内みどり

木内みどり(きうち みどり): 女優。’65年劇団四季に入団。初主演ドラマ「日本の幸福」(’67/NTV)、「安ベエの海」(’69/TBS)、「いちばん星」(’77/NHK)、「看護婦日記」(’83/TBS)など多数出演。映画は、三島由紀夫原作『潮騒』(’71/森谷司郎)、『死の棘』(’90/小栗康平)、『大病人』(’93/伊丹十三)、『陽だまりの彼女』(’14/三木孝浩)、『0.5ミリ』(’14/安藤桃子)など話題作に出演。コミカルなキャラクターから重厚感あふれる役柄まで幅広く演じている。3・11以降、脱原発集会の司会などを引き受け積極的に活動。twitterでも発信中→水野木内みどり@kiuchi_midori

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