立憲政治の道しるべ

憲法によって国家を縛り、その憲法に基づいて政治を行う。
民主主義国家の基盤ともいえるその原則が、近年、大きく揺らぎつつあります。
憲法違反の発言を繰り返す政治家、憲法を無視して暴走する国会…。
「日本の立憲政治は、崩壊の危機にある!」
そう警鐘を鳴らす南部義典さんが、現在進行形のさまざまな具体的事例を、
「憲法」の観点から検証していきます。

今さら、違憲状態判決!?

 
 最大2.425倍の一票の較差が生じていた衆議院議員総選挙(昨年12月16日)に関して、最高裁は20日、「違憲状態」とする判決を下しました(以下、2013年判決といいます)。選挙の無効を求める訴えは退けました。今回、14名の裁判体となりましたが、「多数意見」が10名、判断を支持せず、結論を支持する「意見」が1名、結論を支持しない「反対意見」が3名、という内訳となっています。

 読者の皆さんは、もっと厳しい判決を予期していたのではないでしょうか。私も同じです。
 なぜなら、総選挙の後、各地の高裁に提起された一連の一人一票訴訟では、「違憲であり、選挙を無効とする」判決が出るなど(高裁判決は、本人訴訟を含めると計17件。2013年4月までにすべて出揃いました)、投票価値の著しい不平等をもたらす区割り規定を是正(法改正)しなかった国会に対し、その不作為の責任を厳しく指弾する判決が続いていたからです。高裁レベルでは、合憲判決は0件、違憲状態判決が2件、違憲違法判決が13件、違憲無効判決が2件(この区別は後述)という結果でした。少なくとも最高裁には、「違憲違法判決+α」への期待が高かったといえます。

 結論からいえば、2013年判決は“何を今さら”という印象です。現状追認にしかならず、立憲主義を前進させる内容ではありません。振り出しに戻された印象ですが、一人一票の実現に向けて、国会、内閣、裁判所が適切に機能するよう、それを仕向けるための国民の力が問われそうです。
 

司法の判断基準

 
 本題に入る前に、一人一票訴訟において、裁判所がどのような判断の経路をたどるのか、整理しておきます。衆参いずれの選挙無効訴訟にも通じるものです。

 下のフローチャートをご覧下さい。原告は、【4】違憲無効を請求します。

 司法判断にはまず、「投票価値の平等(一人一票)の要請は、憲法上、絶対的な基準ではない。選挙区の確定など他の政策目的との合理的な調和のなかで実現されるものである」という前提があります。この前提は判決によく出てくるフレーズで、「合理的調和論」と呼ばれます。
 投票価値の不平等は、実体として憲法14条が保障する法の下の平等に違反するわけですが、「選挙区、投票の方法その他両議院の選挙に関する事項は、法律でこれを定める」という、立法裁量を認める憲法47条(選挙事項法定主義)があり、その兼ね合いで“平等”が実現されるという考え方が採られます。

 その上で、投票価値に著しい不平等があるか否か、の判断に入ります。この判断は、合憲・違憲の分水嶺です。著しい不平等があれば「違憲」、なければ「合憲」と評価されます。

 最高裁はこれまで、何を以て「著しい不平等」といえるのか、「○倍までなら合憲、○倍を超えたら違憲」という数値的基準を示したことはありません。3倍までなら許されると、昔は言われたことがありましたが、法的な根拠があるわけではなく、政治の勝手な解釈です。

 近年はより厳格な判断が示されています。最高裁は前回(2011年3月23日)の判決(以下、2011年判決といいます)で、2009年8月に行われた衆議院議員総選挙(最大較差2.304倍)で、違憲状態と判示しています。今回も2.425倍で違憲状態判決となりました。ちなみに2011年判決では、一人の判事が「合憲」との反対意見を示しましたが、今回は一人もいませんでした。

 本来、投票価値の著しい不平等があれば即、違憲である旨の判断がなされるところですが、チャートが示すように、違憲判断の中でいくつかの段階を置いているのが特徴です。【2】違憲状態判決、【3】違憲違法判決、【4】違憲無効判決の三つがあります。
 メディアは、【3】【4】をまとめて違憲判決と報じたり、【3】を単に違憲判決と報じたりし、分かりにくいのですが、ここでは、【2】→【3】→【4】の順で判断結果が重くなると考えていただいて構いません。

 【2】→【3】→【4】がどのように区別されているかがポイントです。
 まず、国会が、投票価値の著しい不平等を是正するための「合理的期間」を徒過したといえるかどうか、という判断基準があります。合理的期間論といいます。今回の判決でも、一つの争点となりました(後述)。
 国会が、投票価値の著しい不平等の存在を認識しても、それを是正するには、法律を改正しなければなりません。国会でさまざまな議論を行い、結論を得て法律改正に至るまでには一定の期間を要します。
 そこで司法は、投票価値の著しい不平等が存在することを前提に、国会が是正に必要な立法措置のための合理的な期間を超えている場合に、【3】違憲違法判決ないし【4】違憲無効判決、を下すこととし、そうでない場合には、【2】違憲状態判決にとどめるという判断をとります。
 
 また、国会が必要な立法措置を講ずるための合理的な期間を超えていたとしても、それが即、【4】違憲無効との判断には傾きません。
 この点、当選無効が確定し、議員が失職することにより、国会の立法機能が停止することは公共の利益に反するので、違憲無効判決を下すことは妥当ではないという判断が、司法では主流です。このような公共の利益に反する事情がある場合には、違憲であっても選挙は無効とせず、憲法に違反する「公職選挙法上の区割り」に基づいた選挙が行われたことを、「違法」と宣言するのにとどめるのが、【3】違憲違法判決です。講学上、事情判決の法理として説明されています。

衆院選「一人一票訴訟」〜前回からの経緯〜

 昨年の総選挙において投票価値に著しい不平等があったことは言うに及ばず、2011年判決以降、国会が何をしてきたのか、確認しておきたいと思います。
 そもそも、全国民が一致団結し、住所地を調整するようなことがない限り、各小選挙区の人口が、自然と均一になることはありえません。年月の経過とともに人口移動が進み、較差は拡大していくものです。
 また、現在の衆議院福島5区のように、選挙区の一部分が「帰還困難区域」に指定されているところもあります。ここでは統計上一定の人口があっても、居住実態がありません。2011年3月の福島原発事故発生後の事情は、2010年の国勢調査では把握できておらず、次回(2015年)の国勢調査の結果を踏まえ、選挙区割りを大きく見直す必要が出てきます。いつの時代にも、人口の動態に合わせて、法律(公職選挙法の別表)で定められる選挙区割りを自ら是正していくのが国会の責務です。
 政権交代、政権再交代の中で、与野党の勢力が入れ替わるなか、国会はどのように責務を果たしてきたでしょうか。

 まず、2011年判決の後、緊急是正法という法律が制定されるまで、“1年8か月”を要していることに注目してください。
 先ほど、合理的期間論に触れました。この1年8か月という期間が、国会が是正措置を講ずるに合理的だったといえるか否かが、今回の判決で改めて問題となり、多数意見と反対意見がはっきり割れています。
 
 さらに2011年判決は、較差が縮減できない根本的原因である「一人別枠方式」を廃止すべきことも多数意見で示していました。
 しかし、国会は長期間、一人別枠方式を廃止し、新しい選挙区割りを確定するための立法を怠りました。緊急是正法を成立させた当日、衆議院が解散されています。2012年12月の総選挙は、緊急是正法に基づく較差縮減を以て実施されていません。2009年8月の総選挙と同一の制度(一人別枠方式が廃止されないまま、定数300に基づく区割り)で行われています。

 また、緊急是正法を施行するだけでは、較差は是正されません。衆議院議員選挙区確定審議会という政府の有識者会議が選挙区割りの線引きを公正・中立な立場で検討し、内閣総理大臣に新しい区割りを勧告し、立法措置をとるという手順が踏まれます。区画審の勧告が行われたのは結局、2013年3月28日であり、新しい区割りを法的に確定させる立法(いわゆる0増5減法)は、通常国会の会期末、安倍政権下で成立した(民主党政権下では実現しなかった)という次第です。

 国会は、1年8か月の間、緊急是正法を制定したこと以外、何ら具体的な立法実績がありません。
 しかも、法を成立させたのは解散の当日です。このような国会の不作為(決められない政治)が反映し、較差が「拡大」していった(2.3倍→2.4倍)ことは、誰もが容易に想像がつきます。
 

判決の問題点

 以上のような事実認識を踏まえ、2013年判決における最大の問題点と思うところを指摘しておきます。少し長くなりますが、判決要旨からの引用です。「合理的期間」に関する判断基準の提示とあてはめの部分です。

 衆議院議員の選挙における投票価値の較差の問題について、当裁判所大法廷は、これまで、【1】定数配分又は選挙区割りが前記のような諸事情を総合的に考慮した上で投票価値の較差において憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っているか否か、【2】上記の状態に至っている場合に、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとして定数配分規定又は区割規定が憲法の規定に違反するに至っているか否か、【3】当該規定が憲法の規定に違反するに至っている場合に、選挙を無効とすることなく選挙の違法を宣言するにとどめるか否かといった判断の枠組みに従って審査を行ってきた。こうした段階を経て判断を行う方法が採られてきたのは、憲法の予定している司法権と立法権の関係に由来するものと考えられる。すなわち、裁判所において選挙制度について投票価値の平等の観点から憲法上問題があると判断したとしても、自らこれに代わる具体的な制度を定め得るものではなく、その是正は国会の立法によって行われることになるものであり、是正の方法についても国会は幅広い裁量権を有しており、上記の判断枠組みのいずれの段階においても、国会において自ら制度の見直しを行うことが想定されているものと解される。換言すれば、裁判所が選挙制度の憲法適合性について上記の判断枠組みの各段階において一定の判断を示すことにより、国会がこれを踏まえて所要の適切な是正の措置を講ずることが、憲法の趣旨に沿うものというべきである。このような憲法秩序の下における司法権と立法権の関係に照らすと、上記【2】の段階において憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったといえるか否かを判断するに当たっては、単に期間の長短のみならず、是正のために採るべき措置の内容、そのために検討を要する事項、実際に必要となる手続や作業等の諸般の事情を総合考慮して、国会における是正の実現に向けた取組が司法の判断の趣旨を踏まえた立法裁量権の行使として相当なものであったといえるか否かという観点から評価すべきものと解される。
(緊急是正法、0増5減法の制定に触れ、)このように、平成21年選挙に関する平成23年大法廷判決を受けて、立法府における是正のための取組が行われ、本件選挙時の時点において是正の実現に向けた一定の前進と評価し得る法改正が成立に至っていたものということができる。

 先ほど、合理的期間論の説明をしました。それは、人口変動に応じてリアルタイムで区割りを改正することができないので、区割り規定が【3】違憲違法、【4】違憲無効となるためには、合理的な期間の経過を要するという判例上の理論だと、従来から理解されています。

 国会は、少なくとも2011年判決の日から、投票価値に著しい不平等があったこと(2.304倍)を認識しています。是正義務はその日から発生しています。
 従来からの考え方に従えば、1年8か月という期間は、国会の会期を3つ挟んでおり、国政選挙が一度も行われていないことからすれば、与野党合意の下で、是正を行うことが十分可能であったといえます。 
 したがって、2013年判決は、投票価値の著しい不平等の存在とともに、合理的期間の経過という客観的事情を以て、【2】違憲状態判決ではなく、【3】違憲違法判決又は【4】違憲無効判決のいずれかに導くべきであったと考えます。

 しかし今回、2013年判決では、合理的期間論に関し、国会に都合がよくなる(免責される)事情を広く捉えて評価する手法を採っています。下線部のところ、「単に期間の長短のみならず、」以下の部分で、国会の裁量を広く認めているのです。

 とくに、「総合考慮」という文言が出てきますが、その指す内容が判然としません。憲法規範に即して国会の作為・不作為を厳しく評価するという、憲法の番人としての姿勢を欠いています。多数意見が「司法と立法の役割分担」を強調するあまり、「司法の判断を踏まえた立法裁量権の行使として相当であったか否かという観点に基づく評価」とは名ばかりのものとなり、国会の不作為を猶予、免赦する以外の意味では受け止められません。裁判所は、国会の不作為を追認する機関に成り下がることを宣言しているかのようです。責任放棄です。

 2013年判決は結局、「国会は、緊急是正法、0増5減法を制定させたのだから、是正措置を合理的期間内に行った」と、「総合考慮」して結論付けて、違憲状態としています。
 しかし、繰り返しになりますが、緊急是正法は衆議院解散当日、与野党の究極の妥協として成立したものです。法の公布・施行日には、すでに全ての衆議院議員が失職しています。また、0増5減法の制定は、総選挙が終わったあとの、政権再交代後の事情です。多数意見は、0増5減法が、もし解散が無かった場合の衆議院議員の任期(2013年8月)までに成立したことにも触れていますが、それは偶然に過ぎません。
 なぜそのような判断で以て「本件選挙時の時点において是正の実現に向けた一定の前進と評価し得る法改正が成立に至っていた」と結論付けられるのか、理解に苦しみます。

 自民党の石破幹事長は、「司法と立法との関係によく配意した判決」だと述べ、違憲状態判決に止めたことを評価しています。与党幹部から褒められるような判決では駄目なのです。0増5減法を最高裁は評価したとの見方が、政界では広がっているようです。これでは、較差是正マインドをますます低下させ、立憲政治を後退させるだけです。

 2013年判決は、最後の部分で、0増5減法による区割り(最大較差1.998倍。次回の総選挙から適用)が、一人別枠方式の廃止の趣旨に沿ったものではないとも指摘しています。
 しかし、判決自体、「人口比例原則」を徹底する立場ではなく、その指摘が国会を動かす契機にはなりえません。政府・国会は、「一人別枠方式はすでに存在しない。司法はこれ以上何も言えないはずだ」と高を括るでしょう。衆議院の解散はしばらくないと言われていますが、国会がさらなる較差縮減のための立法行為を為すことはないでしょう。 
 次回の総選挙は、今回以上に較差が広がっているおそれが高いと予想されます。

意義ある少数意見

 多数意見には前記のような問題点がありますが、2013年判決には、4名の判事による有意な少数意見が付されています。

【鬼丸かおる判事の意見】 違憲状態判決を支持

 憲法は、衆議院議員の総選挙について、国民の投票価値をできる限り1対1に近い平等なものとすることを基本的に保障しているというべきである。国会は両議院議員の定数の定め及び選挙の仕組みを決定するに際して、選挙区制の選択や選挙区割り等の事項について立法裁量権を有するが、これらの内容の決定に当たっては、投票価値の平等を最大限尊重し、その較差の最小化を図ることが憲法上要請されている。

【大谷剛彦判事の反対意見】 違憲違法判決を支持

 国会情勢や政治情勢上速やかに合意を形成することが容易ではないとの事情は、事柄の性質に照らして通常必要とされる合理的期間を超えて区割規定の是正を行わなかったことを許容する正当な理由となり得るとはいい難い。従来の判例法理の趣旨及びその評価の観点からすると、本件においては、憲法上養成される合理的期間内の是正は可能であったのに、これを行わなかったものと評価せざるを得ず、今回の選挙時における本件区割規定は憲法の規定に違反するに至っていたと考える。

【大橋正春判事の反対意見】 違憲違法判決を支持

 本件では、一人別枠方式の廃止から約7か月で区割規定の改正が行われており、一人別枠方式を廃止する法改正作業が平成23年大法廷判決の直後から真摯に行われていたとするならば、本件選挙までの約1年9か月の間に区割規定の改正は十分に可能であったと考えられ、この間に違憲状態を是正しなかったことについては合理的期間を経過していると評価されるので、本件選挙当時、本件区割規定は憲法14条1項等の規定に違反していたものといわざるを得ない。

【木内道祥判事の反対意見】 違憲違法判決を支持(将来の違憲無効判決を示唆)

 国会が憲法上要求される合理的期間内における是正を行ったか否かの判定は、国会が立法府として合理的に行動することを前提として行われるべきである。平成23年大法廷判決から本件選挙の実施までには1年9か月の期間があり、同判決が是正のために立法府がなすべき改正の方向を指し示している以上、上記の期間は、国会が立法府として合理的に行動する限り、上記のとおり同判決において方向を指し示された改正の作業を行うための期間として不足するものとはいえない。本件選挙の時点において、その選挙の執行の根拠とされた本件区割規定は、合理的期間内に是正されなかったものであり、違憲であるというべきである。
…ただ、今後の国会の動向いかんによっては、選挙を無効とすることがありえないではない。一般に、どの範囲で選挙を無効とするかは、憲法によって司法権に委ねられた範囲内において裁判所が定めることができると考えられ、裁判所が選挙を無効とするか否かの判断をその侵害の程度やその回復の必要性等に応じた裁量的なものと捉えれば、裁判所が選挙を無効とする選挙区を投票価値平等の侵害のごく著しいものに限定し、衆議院としての機能が不全となる事態を回避することは可能であると解すべきである。今後、司法判断によって違憲であることが確定した区割規定について国会による改正が行われないまま選挙が繰り返され、その結果として選挙が無効となるような事態が杞憂に終わることを切に期待するものである。

 鬼丸判事の意見は、多数意見の結論を支持するものですが、一人一票(人口比例選挙)の重要性を唯一指摘しており、評価できます。
 大谷、大橋、木内各判事はいずれも、合理的期間を超えていたとの事実評価に基づき、違憲違法判決を支持しています。私はとくに、国会が合理的に行動しなかったことを批判する木内判事の意見に賛成します。
 また、木内判事は、「違憲無効判決」の可能性を示唆しています。司法の裁量の範囲内で、投票価値の不平等が著しい選挙区に限定して無効とし、立法機能が停止するなどの事態を回避できる(つまり、事情判決に依る必要がなくなる)という論理です。この点を、立法府として国会が深く自覚できるかが問題です。

国民的関心がなくなるおそれ

 2013年判決は、肩すかしの内容で、インパクトの薄いものでした。政治部門は、一人一票に向けた次のステップに向かおうとしません。判決翌日には、特定秘密保護法案の与野党修正合意にニュース性を奪われ、深掘りした検証がなされる気配がありません。判決に関する報道が持続せず、定数削減や選挙制度の抜本改革という別の論点が注目され、一人一票に対する関心が薄れていくことが心配です。
 0増5減法の施行により、2010年国勢調査を基準に最大較差が1.998倍になっているので、この問題は決着済みであるとの論調が、判決後とくに目立っています。しかし、2013年3月31日現在の住民基本台帳統計によれば、最大較差は2.097倍(兵庫6区と宮城5区)に拡大し、現在すでに2倍を超えています。次の国勢調査は2015年ですが、間違いなく較差は拡大します。一人一票の問題は、それほど容易には決着はしません。

 そして、参議院選挙(2013年7月)の無効訴訟が各地の高裁で始まります。明日(28日)は、広島高裁岡山支部で判決が言い渡され、一連の判決は12月下旬まで続きます。
 最高裁は2011年10月、参議院選挙(2010年7月)の較差について違憲状態判決を下しましたが、今後の高裁判決もやはり「合理的期間論」が気がかりです。今回の判決と同じ論理に則って、度を超えて国会裁量を尊重する流れが出来てしまわないか、危惧されます。立憲主義を後退させることは、絶対に認められません。

 

  

※コメントは承認制です。
第33回 現状追認どころか、立憲主義を後退させる、
最高裁“違憲状態判決”
」 に2件のコメント

  1. magazine9 より:

    マガ9でもずーっと取り上げてきているこの問題、こちらから関連コラムやインタビューがまとめて読めますので、ぜひチェックしてくださいね。伊藤真さんが「一人一票実現訴訟」の目的と、各裁判の判決の意味について解説してくれているこちらのコラムは特に必読です。
    それにしても、特定秘密保護法案について「人権無視の憲法違反」と非難の声が相次いでいますが、「違憲」選挙で選ばれた国会が、「違憲」の法律をつくろうとしているということになるわけで、なんという…。

  2. 土屋健一 より:

    公職選挙法の区割りは、本来一人一票制(全国区で定員まで獲得投票順)を立法裁量での修正原理にすぎません。
    この選挙区割りが違憲状態で、且つ改正のための必要な合理的期間を経過したら区割り自体が当然に失効すべき性質のものではないでしょうか?

    失効した場合、選挙管理委員会は選挙区選挙を行うことは公職選挙法に基づく選挙ではないことになります。
    従って、当然に全国区選挙となるはずです。
    選挙区での投票があったとしても、選挙管理委員会は単純に絶対的投票数で単純に当選を決定すれば良い。

    以上私案です。

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南部義典

なんぶ よしのり:1971年岐阜県岐阜市生まれ、京都大学文学部卒業。衆議院議員政策担当秘書、慶應義塾大学大学院法学研究科講師(非常勤)を歴任。専門は、国民投票法制、国会法制、立法過程。国民投票法に関し、衆議院憲法審査会、衆議院及び参議院の日本国憲法に関する調査特別委員会で、参考人、公述人として発言。著書に『[図解]超早わかり 国民投票法入門』(C&R研究所)、『18歳選挙権と市民教育ハンドブック』(共著・開発教育協会)、『動態的憲法研究』(共著・PHPパブリッシング)、『Q&A解説・憲法改正国民投票法』(現代人文社)がある。(2017年1月現在) →Twitter →Facebook

写真:吉崎貴幸

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