マガジン9

憲法と社会問題を考えるオピニオンウェブマガジン。

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みんなのこえ

vol.270

110209up

2月2日から8日に届いたご意見から

■B級記者どん・わんたろう について

sakusakuさん(42才・男性・北海道)

夢を諦めるのは、悪いこと?

今の奨学金の制度は、様々な分野の問題を深刻に抱えていると感じていました。それは、奨学金を借りて進学している学生達を身近に見ているからです。
これは様々な勉強会でも話題になっていますが、まず「夢を見てるな」ってことです。つまり、夢のみを追っていて現実を見ないから、このようなお金の問題で躓くのです。小学生くらいまでならいいですよ、夢を見ても。でも、中学・高校と進学する中で、自分が社会でどのくらいの位置にいて、どの程度の人間で、現実の社会でどのように役立てるかを考えて欲しいです。大学進学率が50%を超えている日本で、この社会はそんなに大卒を必要としていません。だから、国内での就職が困難になるのです。もっと社会を見て欲しいです。
その為には、社会全体(私達)の価値観も変わらなくてはなりません。高卒・中卒で社会に出て立派に働ける環境にならないと、いつまでたっても上級教育を求めることになります。

■マガ9対談 中島岳志さん×辻元清美さん について

まるいとさん(44才・男性・大分県)

新しい公共について

辻元さんと中島さんの対談の第4回で辻元さんがおっしゃった、「居場所と出番と絆のある社会」という言葉がとても印象に残りました。
私は今、縁あって長崎五島のカネミ油症被害者の方たちを中心にした取り組みについて色々考える事がありますが、健康上完全に元に戻ることがないということを前提にしたときに、この被害者の方たちがほんとに「癒される」状態というのはどういうことだろうと考えます。当面は金銭的な保障も必要だとは思いますが、その先を考えたときに、この辻元さんのおっしゃるような社会の先駆者として、社会的に意義ある存在として考えられないだろうかと思いました。「新しい公共」の解釈という意味でも、こういった感覚で良いものかどうか、辻元さんや中島さんに聞いてみたい気がします。

■時々お散歩日記 について

奥設楽棲息人さん(61才・男性・愛知県)

33 繰り返される法律の恣意的運用

歴代自民党政権は着実にその布石を打ってきた。国旗国歌法、教育基本法、国民投票法、そして菅民主党政権による、国民総背番号制度の導入の動き。この流れをいかにして食い止めようか。チュニジア、エジプトの民衆に学ぶ事が吾らに出来るのか!
私たちは今一度以下のフレーズを嚙み締めたい。ドイツの神学者、マルティン・ニーメラーの言葉。
「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は共産主義者ではなかったから。」
「社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった。私は社会民主主義者ではなかったから。」
「彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。私は労働組合員ではなかったから。」
「彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった。私はユダヤ人などではなかったから。
そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。」

■やまねこムラだより について

superspeed1963さん(47才・男性・愛知県)

現代の農村問題とはなにか

「現代の農村問題とはなにか」を読ませていただきました。門外漢の私の意見ですが、農村のような素晴らしい環境を維持するコストが都会とは比べものにならないほど高いことに原因があると思います。あらゆるコストが高いのに、金銭的な収入が非常に低い。なので現代的な生活を望めば望むほど貧乏にならざるを得ない。生活時間の殆どを費やせば自給自足生活が可能かも知れないが、それを受け入れる人が少ない。村民の入れ替えしか再生はないと思います。

■Kanataのコスタリカ通信 について

衆愚代表さん(35才・男性・沖縄県)

大変興味深い、日本とコスタリカ、二つの平和憲法国家の近似

Kanataさんと対談された弁護士ロベルト・サモラさんの「違憲論」は、憲法の準則的解釈に基づいたものであり、麻薬問題解決に対するコストや効率、そして対米外交(麻薬問題は米国にとっても重要問題である)への視点が欠落しているように感じられます。
つまりそれらの諸問題を含めた上で、「違憲論がコスタリカ国民に与えるメリット」を提示できていない為、「決して優勢な状況ではない」となっているのでしょう。
コスタリカ政府の米海兵隊駐留許可は要するに「統治行為」であり、日本の砂川事件にて最高裁が「安保条約は司法権の範囲外」という判決を下したのと近似しています。
日本の場合は一切の憲法改正が行なわれない代わりに、現実に対応した国策運営の為の「統治行為」を国民の大半が黙認してきたのですが、数多くの改憲経験のあるコスタリカでも日本と同様の出来事があるのは興味深いです。

今井一さんはこの事を如何考えられるでしょうか?

■みんなのこえ について

TY生さん(71才・男性・三重県)

私に向けられた意見について

森正樹さんは《日本だけ軍備を放棄して軍事的空白を作るのは方法論として最悪で、平和憲法どころか侵略を招くものだ》《戦争も辞さない姿勢が戦争を防ぎ、事なかれ平和主義が戦争を招くのだ》と述べるが、憲法を守り活かそうとする「九条の会」の中には、専守防衛という考えの人もいて、非武装を主張する人ばかりではない。共通する考えは日本が海外で武力行使(戦争)をする国にならない、国際紛争の解決に武力を使わないという理念で、日常不断に対話外交を積み重ねて敵を作らない外交を主張している。
《どう見ても軍隊であるものを軍隊ではないということにしている》と述べているが、軍隊とは個別的自衛権も集団的自衛権も行使できる組織。自衛隊は集団的自衛権の行使は憲法で禁じられている。
改憲派が脅威と想定する中国とは経済の補完関係が強まっている。日本を侵略して中国の利益となるようなものは生まれない。北朝鮮は国際社会の援助を欲しがっている。日本を侵略して何が利益となるのか。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

Tassa Leaksさん

第21条とサイバー犯罪

ここ数年、憲法第25条と第9条のつながりが反貧困運動(マガ9含め)を通じて確認されてきました。それに加えて、第21条の再検討が急務です。第1項の集会・結社・表現の自由はもちろんですが、第2項の検閲の禁止・通信の秘密が、今、ピンチです。というのも1月24日、(共謀罪につながる)通称「サイバー犯罪法」改正案が国会提出されたからです。

サイバー犯罪条約とその国内法化に関するQ&A(日弁連)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/kokusai_keiji/kokusai_keiji_a.html

2月8日には渋谷で集会があるそうです。
http://www.kyoubouzai-hantai.org

アラブ諸国でも活躍するツイッターなどのソーシャル・メディアが広まりつつある中、21条の概念は非常に大事だと思います。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

けめもも2010さん(48才・女性・東京都)

何故こんなに“ゆとり”が無いのか

ラジオでちらりと聞いたのですが、コスタリカでは銀行やスーパーではお年寄りや赤ちゃん連れ専用の窓口があるとか。皆さんのんびりと用事をすませてるそうです。
私の実家は新潟で数年前政令指定都市になりました。そのせいなのかどうなのか? 新幹線が通勤電車化…。私は二階建ての新幹線が大嫌いです。どうしたら人をギュウギュウに詰めて効率良く運べるかだけを考えた結果に思えるからです。雨宮さんがあるエッセイで毎週の如く新幹線に乗っていたら恐怖症になったと書かれていましたが、私も同じ気持ちになりました。
都会では秒単位の時間にいらつく私。実家ではお日様単位の時間。
何か早く速くとにかく早くと動いている“ゆとりの無さ”からいろいろな問題が生まれている様な気がします。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

和志 求さん(61才・女性・山梨県)

巻頭文を読んで

この文章を書かれた方は、エジプトがどのようになることを望んでいるのでしょうか。最後の段落の中の文「エジプトの民主化を表向き歓迎していますが、民衆によって新たに選ばれた政権が親欧米であるとは限りません。」という文脈からは、民衆によって新たに選ばれた政権が「親欧米」であることを望んでいるように思えますが、違いますか。
エジプトの民衆が立ちあがったのは、ムバラク氏の圧制からはもちろん、更にその裏にいるアメリカから解放されたいという強い意志があることを、多くのネットメディアが伝えています。つまり、むしろある意味「親欧米」であることを拒否しているのです。それはエジプトのこれまでの歴史を思えば当然のことです。
また、「イスラム原理主義」という言葉を不用意に使うことも誤解を与えると思います。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

保守派ではないけれどさん

時は流れて

ここを数年こちらを愛読していますが、執筆内容の変化は興味深いものがあります。多くの方の期待が膨らんだ(私は違いますが)政権交代から1年半。例えば岡留氏のコラムのバックナンバーの題名だけを読んでもそのしぼみ方は感慨深いものがあります。
お散歩氏はマニフェストを守れば支持率アップで問題なしと言いますが、民主党政権の罪は約束を守らなかった以上に出来ない約束をしてしまったことだと思いますよ。そもそもジャーナリストを名乗る方なら、変節に恨み節を言う前に自らの見通しの甘さを自己批判してほしいものです。言語責任も負えない口で政治家の批判もできないでしょう。
「みんなのこえ」で昔からの投稿者の森さんの「転向」も感慨深いです。真摯にこの国や世界の平和を願うところから九条の矛盾に気づかれたのでしょう。自らの変革は怖がり他人を非難するだけの言論人には見習ってほしいものです。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

マングースさん(男性・東京都)

雇用情勢の改善について

新自由主義者は、失業率の改善は企業が労働者を容易に解雇できるようにすることによってなされるという逆説めいたことを言う。誰をいつ雇うかは企業の自由だということになれば逆に労働者に自由はなく奴隷と同じである。そのような生きづらい社会は日本がめざすべき安心社会とは逆の方向だろう。
また、解雇の容易化が雇用の流動性を増し、低成長産業から高成長産業へ人が移って全体の生産性が上がる、という主張もまやかしである。たとえば低成長の(例えば)建設業を解雇された人が高成長の(例えば)IT産業で雇われると思えない。それだけ能力があればクビにならずとも自分でやめていくだろう。
失業率の改善は一人の労働時間を減らしてその分多く人を雇う、というワークシェアでなされるべきである。また、正社員と非正社員の待遇差も(賃金ばかりでなく社会保険その他も)なくすべきだ。ただし下への平等化ではない方法によって。

■その他、感想、ご意見、ご要望 について

にむさん

「正社員幻想」を越えて

高度成長の時代に構築された、「正社員」の待遇を低成長の時代に維持することは不可能です。低成長と人口減少の時代であるにもかかわらず、正社員の待遇を以前と同水準に維持しようとするために非正規雇用が拡大しています。
企業は年配正社員の待遇を維持するために新卒採用を抑制します。日本では、フランスなどの雇用保障が強固な国々と同様に若年層に失業リスクが集中しています。特に不況期には若年層が調整弁になります。広島電鉄が行ったように年配正社員の待遇を再配分しないかぎり、若年者や非正社員の待遇を改善することはできないと思います。低成長の時代には、限りある資源を社会の中で効率よく公平に配分していかなくてはなりません。
ニューヨーク・タイムズも日本の世代間格差について取り上げています。
http://www.nytimes.com/2011/01/28/world/asia/28generation.html

今週末は、いよいよ伊勢崎賢治さん他による第6回「マガ9学校」。
森達也さん×保坂展人さんの、
3月の第7回マガ9学校も参加者募集中です!

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