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2011-09-14up

おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」

第21回

「死のまち」と「プルトニウム」も放送禁止用語の予感な件。〜枝野大臣就任会見、福島県総決起大会、統合会見〜

 鉢呂元大臣は大変でしたね、「死のまち」って言って干されちゃって。何であんな目くじらたてられたんでしょう? 「福島をチェルノブイリと一緒にするな」とか怒鳴る方のほうがよっぽど推進派だと思います。そして、肝心なことは、鉢呂元大臣は福島の方々から支持されてたということ。何度も福島に行かれていて、その方が大臣となり、一番福島に足を運んだ大臣だ、と言われていたのに。実際、福島の組合や団体で鉢呂元大臣を支持する、という応援声明を出そうとしてたところ、あれよあれよというまに辞任されちゃった、という声も聞きましたよ。
 「放射線つける」うんぬんも実際おっしゃったとしても、それは、何度も福島に行ってるからこそ言える放射線ギャグを私たちが言い合ってるようなもの、と思いました。あんまり福島に行ったことなさそうなのに、偉そうなことおっしゃる記者さまには私も「放射線つけるよ!」とか言いたくなるときもあります☆ いわき市在住のケーシー高峰師匠が笑点で「放射能の産地、福島県いわき市から参りました。平等に放射能をお分けいたします!」と白衣をバッサバッサされたような、怒りを込めた笑いだったのかもしれません。
 何にせよ、鉢呂元大臣にお辞めなさいな、と考えた国民が、騒いでいたマスコミの方々以外にどれほどいらしたのか知りたいところです。

***

 というわけで、今週のトピックはまずこれから。枝野経産大臣の就任会見に伺ってきましたよ。わざわざ行くわよってな感じではなく、東京電力から歩いて行けるとこでしたので、統合会見の終了後、テクテク歩いていきました。
 9月12日21時半から、経産省本館にて。初めに枝野大臣のスピーチがあったのですが、慎重に言葉を選びながら、みたいな感じ。でも、
「中長期的なエネルギー政策は見直す」
「原発をゼロにしても大丈夫な状況をまず作らなくては」
 などなど、そこはかとなく原発推進派では無い印象。
 けど、翌日のTVニュースでは枝野大臣のコメントは文章で「原発を再稼動する」などとまとめられていました。えー!? そんなことおっしゃってたっけ? TVなんだから、文章で表さず「原発を再稼動する」とおっしゃってる映像を流してよね、という、また1次情報と2次情報の乖離を見てしまいました。

 私が大臣にお聞きした質問。

――大臣は4月18日に福島第一原発の20km圏内に視察に行かれたとき、現地の方より重装備の防護服を着ておられました。 鉢呂元大臣は言葉で「死のまち」とおっしゃいましたが、大臣は行動で「死のまち」を表されたような気がします。大臣の考えられる「死のまち」の定義とは何ですか?
 付け加えておきますが、福島の方々は「死のまち」発言も重装備の防護服もはっきりと危険性を指摘してくれた、と支持しておられます!

(いいのよ〜放射線は怖いものっておっしゃってもいいのよ〜という優しい気持ち。)

枝野大臣「良い機会だからみなさまにお伝えしますが、あの視察で防護服を着たのはそこが防護服を着ないといけないところだったからです。そしてご存知だとは思いますが、防護服は自分を守るためのものではなく、衣服などに付けて外に放射性物質を持ち出さないためのものなのです。自分を守るためのものではありません」

(あらら、放射線はうつる、とおっしゃってるような感じ…でも、いいのよ〜自由におっしゃればいいのよ〜)

枝野大臣「そして鉢呂議員がおっしゃった言葉に関しては私の発言ではないので何もコメントできません」

(あらあら、死のまち、とおっしゃることさえ避けましたね、変なの、でもマスコミがうっとおしいからね☆)

 初めは枝野さんが大臣になるなんて、変な人事! と思って、どう突っ込もうかしら、と考えてましたが、段々、鉢呂元大臣を辞めさせたマスコミに腹が立ってきて、枝野大臣、いいのよ〜私はマスコミじゃないから本心をおっしゃいなさいな〜放射線の危険性をおっしゃってもいいのよ〜と包み込むような気持ちになりました。
 仕切りに枝野大臣が「これから、記者のみなさまよろしくお願いします」とおっしゃってたのも気になりましたし。
 もうさ、政策でなく、言葉で辞任させるなんてバカなことはやめてほしいです。私たちの師匠、横山ホットブラザーズのマコト師匠のお言葉。
 「応援してるしてる言うて、舞台にちっとも観にきてくださらないお客さまと、悪口ばっかり言いながらしょっちゅう舞台に来てくださるお客さまと、どっちが本当かわかるやろ、言葉じゃ何も伝わらんで、行動しか意味ないんやで」

 そして、「死のまち」発言は被災者の方々の希望を奪うからヒドイよ! という理由で糾弾されたはずなのに、TVニュースで繰り返し報じているマスコミのほうがよっぽど「死のまち」という言葉を発していました。ニュースだったらいいの? 誰に対しての気遣い、糾弾だったの?
 鉢呂元大臣は脱原発派だったから、マスコミ&官僚に睨まれてつぶされたのではないか、とも思います。ウカツな発言をしちゃう、という失敗でしたが、本当に政策で判断してほしいものです。
 というわけで、枝野大臣がどういう政策をとられるか、そして、脱原発派、住民側の政治家さんがつぶされないように目を光らすのも重要なこと、とも噛み締めました。

***

 遡って9月2日。福島県総決起大会というのが憲政記念館であり、伺いました。会長が佐藤雄平知事で、壇上に渡部恒三議員が座っておられるところから、どんな会か予想がつきます。

 「県民200万人の声を持ってきた!」というところで飯舘の仲良しからちょうど電話がかかってきて、小声で「今、福島県総決起大会だから後から掛け直す」と言うと「え? え? 何それ? どこでやってんの?」。と、本当に県民の声を持ってきてくださったか、ハナから疑問です。
 ちなみに、そのあと、いわきや南相馬、福島の方からも電話やメールがきたので問い返すと、みな知らない。そして、何人かの方はそれぞれ知り合いの公務員や市議の方に聞いてくださったんですが、知らない、とのこと。変な総決起大会なのねぇ。

 主旨は「補償を!」「除染を!」でした。その後、東京電力に移動して、直接、東京電力社長に向けて「補償を!」「除染を!」。
 それは本当に正しいことと思うんだけれど、気になったのは、来られていた300人、そして発言された方々が「除染して早く元のところに住みたい!」とおっしゃっていたこと。それが「県民200万人の声」なのかどうかは疑問です。
 何度も書くけど、子育てされてる方々、これから子供を産みたいという若い方々は、除染して住みたい、というより、除染しても本当に住めるの? そこのところが知りたい! という意見のほうが多いのね。
 それに対して、年配の方々は除染して元のところに住みたい、と。そして市町村長、管理職は年配の方が多いので、そっちの意見にまとめられてしまうことが本当に多いようです。

 被災者の方々の選択枝は多くあるべきだし、それに対してのサポートを多様にするべき、と思うのです。

 福島県の方々との直接交渉の東京電力のコメントは、ボキャブラリーの豊富さを堪能しました。
 何を言われても、
 「重く受け止めます」
 「しかと受け止めます」
 「きっちり受け止めます」
 「厳しく受け止めます」
 「真剣に受け止めます」
 次はどう受け止めるのかしら? とワクワクしながらメモを取りましたよ!

 そして直接交渉のあと、副知事などにぶら下がり取材がありました。
 この日はドイツテレビのフユコさんと行動を共にしていたのですが、なぜか質問も連携していました。

(ちなみに下記はケンパルによる書き起こし。)

福島県商工会連合会副会長「私はあのー、中小企業の者なんですけども、今現地(福島第一原発)の方にはですね、一日に作業員として2000人位が入ってると、あるいはまた物も昼夜を問わず投入して収束に向かってるという現状があるんですけども。地元の中小企業には一切そういうものの声がかかってないのが大変残念です。  かつてはですね、我々と利害を共に共有しながら共存共栄の関係を40年に渡って築きあげてきた間がらですがやはり、東京電力さんの方にも事情があるでしょうが、我々中小企業もやはり今欲しいのは仕事です。そして働きたいんです。そういうようなチャンスをひとつ東京電力さんの方に求めたいと、このように思います。以上です」

福島県副知事「あ、あの、私から 付け加えさせていただきますと。被害というのが非常に広範囲にわたっておりますし、日々増えております。またこれからどれくらいかかるか分からない、という事でございますので、福島県の総意としましては早く昔の福島県に戻してほしい、その為に本当に出来ることは全てやって欲しいという事が願いであります。昔の福島が一日でも早く来るように関係者、東京電力をはじめ関係者の努力、最低限のご努力を本当にお願いしたいとその言葉だけであります」

ドイツテレビ「これまで原発の中での作業40年間とか建設とか、そういう事に携わってらした訳なんでしょうか、地元の中小企業として」

福島県商工会連合会副会長「まああのー、やはり依存度は高かったと思うんですね」

ドイツテレビ「緊急作業員の形でも今仕事は来ないんですか、地元では」

福島県商工会連合会副会長「それはですね、仕組みが中央大手にこう依頼してるという関係が、我々実際の地元じゃなくそういうような、大手関係の配下にある地元の人たち2次3次の下請けは入ってるでしょうけど、実際我々は今までも東京電力さんとの関係はもと下とかそういう関係ではなく、直接契約している関係の契約ですので、どうしてもやはりこういう様な状況になると声がかからないと、こういう様な状況にあると思います」

福島県副知事「付け加えますと、とにかく雇用、被災者の雇用が非常に厳しいという事も含めて電力さんには本当に誠意をもった対応をお願いをしたいという風な事に尽きるのではないかなと思います」

おしどりマコ「すみません、今日福島県の住民の方々何人かと連絡を取りましたが、今日このような集まりがある事をご存じなかった方が多く、どのような形で県内での広報なり人員での今日300人来られた方を集めたのでしょうか」

福島県副知事「あの、これは福島県知事を会長として県内各班の組織、団体の代表者からなる対策協議会というのを作っております。そこの中には市町村も入っております。主にそれぞれの参加の組合員の方構成員の方にはそれぞれ団体から決定がいってるかと思います。市町村の住民の方にも市町村のほうから広報がいってると思いますが、まだまだ私どもの方の周知徹底といいますか、県民の方に対する理解活動が不足しているとすれば、これからの次回以降の活動には、そのへんは反省として、しっかりと対応しながら県民の総意として、しっかりと対応できるようにしていきたいと思います」

おしどりマコ「最後にもう一件だけ、先ほど仰っておられた『直接東電と契約していると、作業員には声がかからない』という事のちょっと、意味がわからなかったのですが。もう一度ご説明をお願い致します」

福島県商工会連合会副会長「いやー、それは東京電力さんの考えでしょうから」

おしどりマコ「わかりました」

 正直、これだけ突っ込んだ質問をしてしまったのはドイツテレビと私だけでした。後は広報的な質問ばかり。もちろん、大変な状況の福島の方々ですが福島県総決起大会は疑問ばかりでした。

 余談ですが、その後東京電力のぶら下がり取材があったのですが、大手メディアの「〜〜〜ということですが、受け止めを!」という質問が多かったのには参りました。もう、東京電力がいろいろ受け止めるのは充分聞いたでしょ!?

***

 8月29日の統合会見の質疑も簡単に。

――RHC JAPANの検査は妥当、という回答頂いたけど、(以前からお聞きしてて、冒頭に回答が出たのね)私が聞いてるのは検査の精度と値段が妥当か、ということ。これから内部被曝を測定する民間機関が増えるかもしれないけど、法規制はどうするおつもり?

園田政務官「現段階では規制するものがなく、その判断基準が政府そのものにない。今後こういったことが恐らく起きてくるだろうから、厚労省を中心として何らかの形で検討していきたい。現段階としては何も規制していない」

――(基準値を超える放射性物質の検出で出荷停止となった)野菜を一般廃棄物として処分した、という回答を頂きましたが、ほんと? 野菜などは暫定基準値を越えたら、出荷せず、その後測定して3回以内に基準値内まで下がったら出荷する、ということを農家の方に聞いたのだけど。けど下がらなかったものは高汚染されてるから一般廃棄物ではなく核廃棄物になるから処分できない、と聞きましたが、本当に一般廃棄物として処理したの?

園田政務官「農水省の人間が帰ったから、わからない、また今度」

――8月17日発表のロードマップにレディー・ガガさんやニューヨークのシェフ使節団の訪日等による安全性の懸念の払拭につながる復興関連行事、と書いてありますが、予算はいかほど? とお聞きしてたお答えは?

園田政務官「予算をとったわけではなく、たまたま訪日していたときのイベントに乗っかった。ロードマップに記載していてごめん」

(そんなことよりもっと書かないといけないことあるでしょうよ!)

――現段階で住民が自分たちで除染するときの、それを一元化している部署はどこ? 東京大学の小佐古先生にお聞きしたんだけど、今のように、バラバラで除染していると、どこに何を埋めたかが将来わからなくなり、5年後、10年後、20年後、掘り返してみるとビックリするくらい高線量の土壌が出てきた、ということになる危険性があるそうよ? 除染されたものの行き場所の管理、そのような地図はどこの部署が作っているの?

園田政務官「除染は支援チームと環境省が中心でやってる。政府の中にも汚染連絡対策室も立ち上げた。調整会議で関係省庁が除染、その他も連絡を取り合ってやっていく」

――そこが一括管理するの?

園田政務官「そういうこと」

――ではそこが今までの除染などの廃棄物の地図を作っているの? どこが天地返しをした、とか、汚染された表土を削りとったものがどこに埋められているとか。ここで今までの除染廃棄物の地図を作ってある?

園田政務官「除染マップ?」

――除染マップではなく、除染で出た廃棄物がどこに処分されたか、どこに埋められているかを記したマップ。

園田政務官「ちょっと代わります」

環境省・廃棄物処理対策課・村山さん「除染で生じた土壌などの廃棄物は、現在最終処分場がないので、一次仮置きで各自治体や地域コミュニティにお願いしてる。そのままだと将来困るので、最終的にはどこに埋めたかどうかのマッピングやデータベースを作って把握しようというのは今、考えている。現段階は各自治体のほうで一部取り組んでいるところもあるけど、最終的には国でデータベースみたいなものは作っていくものと考えているところ」

――除染されたものがどこに埋められたかなどは、逐一住民の方々に公開されないと、埋めようとしたらすごく高線量のものが土中から出てきた、などの懸念もあるんだけど。どのような形でいつ頃から公開されるの?

環境省・廃棄物処理対策課・村山さん「形と時期は決まってない。検討していくところ」

――7月に住民が除染をする際の実験資料が出ていて、それはマスク、手袋をして1日4時間除染をした場合、どれくらい被曝するかというものだったけど。現状はマスク、手袋をせず、1日8時間、10時間除染されてたりするんだけど把握してる? 南相馬では保育園で土ぼこりをモウモウとあげて除染をしていて、そこには横で普通に保育園児がいたり、とかそういう状況で除染が行なわれていることご存知? 実験資料を出すのみで、除染で実際住民がどれくらい被曝するか、その後の管理はされてないの?

支援チーム「7月の実験資料はガイドライン、お願いで4時間以上除染しないで、ということではない」

――支援チームは現状、住民の方々がどのような除染をされているか、不要な被曝をされてないか、調査や管理はしている?

支援チーム「7月にガイドライン、マニュアルを出していて、そこに注意事項が書いている。国をあげて初めてのことなので、これからいろいろ知見が積み重なっていくかと。知見が積み重なっていけば、いろいろこうしたほうがいい、とか変えていきたい」

――私が聞いてるのは、ガイドライン、お願いをアナウンスするだけでなく、実際どのような除染が行なわれているか現状を調査されている? ということなんだけれど。

支援チーム「国が直接行ったりするものはこれからわかっていく。今は市町村にお願いをしているという形」

――今は被災者生活支援チームとしては除染調査はしてないのね?

支援チーム「マップは今、無い」

――マップ?

支援チーム「園田政務官とやり取りしておられた、除染の廃棄物をどこに埋めたかのマップは今は無い」

――今お聞きしてるのはマップではなく、住民の除染の現状を支援チームが調査、把握してるか、なんだけど。

支援チーム「すべては把握してない。ガイドラインであって、規制的な文書ではないので」

――福島県の児童や妊婦さんにガラスバッジを配布して、個人の積算線量を測る、となってましたけど、実情はあまり配布されてませんよ? 小学生に放射線のことを気にしながら生活させるのはかわいそうだ、とかで、全く配布してない地域もありますよ? 保護者が望んでいるのにもかかわらず。このような現状は把握している? ガラスバッジを配布、というアナウンスだけで文科省は児童の積算線量などは把握してないの?

文科省「子供たちが線量計をつけることについて、心理的な影響がある、という意見と、子供たちの被曝線量をきちんと測定するべき、という両方の意見があるのは知っている。それは学校関係者、地方自治体に任せている。文科省がやっているのは教職員に線量計を配ってそれを測定してもらい、発表している」

――自治体に任せている、ということで、では保護者が自分の子供にガラスバッジを持たせたい、と思った場合、どこに訴えればいい?

文科省「学校のほうに。文科省ではガラスバッジをつけろ、とかつけるな、とは一切指導していない」

――?? 文科省はガラスバッジは配布したけれど、つけてもつけなくてもどっちでもいいよ、ということ?

文科省「文科省としては付けろとか付けるなとか言ってない。各自治体の判断。文科省としては教職員の線量を測ってるから…」

――福島のお米が暫定基準値以下だから大丈夫、というニュースが流れたけど、それは会津のお米だけで。飯舘村の隣の地域でも稲作をしていて、6μSV/hという空間線量の地域でも米を作っているのですが、そのような地域のお米は調査してるの? 会津のお米だけの調査で、福島の米は大丈夫、というアナウンスでは不十分で、余計不信感を抱かせない?

園田政務官「土壌調査をして作付けをして、出荷する前にもう一度調査をするのだけれど。今の状況だったら大丈夫じゃない?」

 あと、小児甲状腺サーベイの検査と安定化ヨウ素剤についてもろもろお聞きしたのですが、支援チーム医療班の方が来てらして、先日の説明会(第19回参照)で仲良くなった方だったのよね! 丁寧にお答え頂いたので、回答は全文を載せます。

――3月末の小児甲状腺サーベイの説明会で安定化ヨウ素剤の説明が同時に行なわれてたのはなぜ? 早期発見早期治療のための福島県の18歳以下の健康調査の一次検査にエコーだけでなく血液調査を入れなくていいの? なぜいわき市で最高値が出たの? なぜいわき市で最高値かなどの今後の調査はするの?

支援チーム医療班「まず、安定化ヨウ素剤のご説明の内容なんですけれども、私ども説明会の中では安定化ヨウ素剤は原子力安全委員会の定めた毎時0.2 マイクロシーベルトというのが甲状腺等価線量100 ミリシーベルト、それは安定化ヨウ素剤の内服基準であるというふうに定められていると説明会での説明時にちょっと触れさせていただいたのであって、この調査で安定化ヨウ素剤の内服の是非について判断したというふうな説明は行っていないというふうに認識しております。
 二点目、何故最高値なのか、いわき市、ということには、ちょっと私どもも分からないというのが正直なところでございます。今後原子力安全委員会さんとも相談して、ちょっと宿題として持ち帰らせていただければと。
 血液検査のことでございますけれども、これは甲状腺、癌に関する血液検査ということでよろしいでしょうか」

――いえ、甲状腺機能障害です。フリーT3とかフリーT4等のチェックということですけれども。

支援チーム医療班「私どもの認識として、説明会で説明した内容としては甲状腺機能低下症には閾値があって、それは非常に高い線量であります。これは資料にも載せていますけれども、何千ミリシーベルトというものです。
 今回18歳未満の全県民に対してという意味では、癌としてのスクリーニングとしてはエコーが非常に妥当で、非常にそれは確立されたものでございますので、基本的には癌のスクリーニングとしてそちらを採用させていただいているというところがございます。
 いわき市の今後の計画という四点目でございますけれども、そこは今からではちょっと大変不安でたぶん思っておられるという方は凄い分かるんですが、ヨウ素に関しては非常に半減期が短いものでございますので、先ほどの最大値を示した理由とも併せて甲状腺からとしては検出は、大変申し訳ないんですが今からでは調査できないということにはなると思います。ちょっと答えになっているかですが、以上でございます」

 ちなみに、会見が終わってから、すぐにこの方にお電話をしてみました。

――あの、おしどりマコと申します…

「だと思った!!」
(と明るい出だしすぎる☆)

「僕がこないだプライベートで答えたことをそのまま質問に使ったね?」

――わーすみません、まさかご本人がいらっしゃると思わなくて。

「専門的なことは統合会見で聞いても回答は出てこないから、直接僕に聞いて、何でも答えるから。いつ電話してきてもいいよ」

――じゃこれからよろしくお願いします☆
(がっつり教えて頂こう!)

 ところでこの会見の日はいわき市からダッシュで東京に戻って会見に行ったのだけれど、安全委員会の加藤さんに「お久しぶり、よくいわきから間に合いましたねぇ」と言われてビックリ。

――なんでご存知なんですか?

「安全委員会の若いものがツィッターであなたをフォローしているそうですよ」

 わーその方のアカウント知りたいな!
 そして東京大学の小佐古先生から「マガジン9、興味深いですね、小児甲状腺サーベイ説明会の回の放医研のお医者さんのお名前、僕にだけ教えてください」という愉快なメールを頂きました。

 予想外の方にマガジン9を読んで頂いているのかもしれません。

***

 「週刊SPA!」にネプツニウム239についての記事を書いてから、また、デマ認定をされています。マガジン9には第16回に書いたけど。

 6月6日の保安院発表の資料(この資料の13ページ目、表-5)に試算値で、ネプツニウム239が76兆ベクレル、プルトニウム239が3.2億ベクレル放出された、とあるんですけどね? 試算値だけれど、これは訂正入っていないし、過小評価しているのでは、という指摘もあるほど。
 だから、飯舘村やそれ以外の福島県や関東地方でも、α核種の解析をきちんとしてほしいな、と本当に思います。手間がかかることだけれど。

 そして、ネプツニウム239の半減期は2.3日だけど、プルトニウム239は2万4千年なので、ベクレル数で考えると、ネプツ239のベクレル数からはプルト239のベクレル数は激減するんだけれど、ネプツ239の1gはそのままプルト239の1gになるのです。つまり、崩壊しない、プルトニウムがたくさんある状態。
 あまり安心していい状態じゃないと思うのと、震災、原発事故から半年、報道に思い出的なものが増えて、現在進行形の原発事故に慣れてきてしまい、忘れがちな状態なので、警鐘を鳴らしたい、と思ったのです。
 今、除染して住もう! というのが大きい流れだけれど、本当に除染して住めるの? という声がかき消されそうになっているので、ちょっとよく調べてみない? α核種とかさ、ということを知ってほしいです。

 でも、プルトニウムはよっぽど触れてはいけないことなのかもね、飯舘村に「おしどりと連絡とらないほうがいい」と経産省の方から連絡が行ったそうです。どうしてかな。「プルトニウムが出たとなると飯舘村のイメージが悪くなる」ということもおっしゃってたんですって。イメージというより、本当に安全かどうかを知りたいだけなんだけどな。

 でも、その経産省の方も飯舘村のことを本当に考えてくださる方かもしれないので一度お話ししてみたいです。ていうか、仲良くなりたいです。
 飯舘村や福島のことを考えてくださる、力になってくださる方とは本当につながりたいものです。
 というわけで、その経産省の方のご連絡お待ちしています! 友達の友達はみな友達のはず!

【今週の針金】
新しい経済産業省大臣の枝野さんですねん。
鉢呂さんも作りたかったな!

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「死の街」も「プルトニウム」も、問題なのは言葉そのものではなく、
現状がどうなのか? のはず。
鉢呂大臣の辞任劇には、強烈な違和感を覚えました。
ということで(?)、経産省の方、
もしお読みになっていたら↓のご意見フォームからご連絡を!


そして、おしどりの2人への「ご祝儀口座」はこちらから!

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おしどりプロフィール

マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。
ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。
マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。

ブログ:
 http://oshidori.laff.jp/
twitter:
 マコ:@makomelo
 ケン:@oshidori_ken
その他、news logでもコラムを連載中。

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