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その18
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●7月4日付各紙

 7月3日に行われた「東京都議会議員選挙」を、4日付の各紙は大きなスペースで取り上げていました(もっとも、この欄は東京版をネタに使っていますので、東京以外の地域での報道はどの程度だったのか、ツッコミ人には分かりません)。
 概ね、各紙とも内容は一緒で、以下のような見出しが躍っていました。ただ、ほとんどが同じようなものなので、ツッコミ人が適当にまとめてみました。

民主躍進、第2党に
自民後退、改選議席に届かず
公明堅調、全員当選を果たす
共産、2議席減らす
社民、議席回復ならず
ネット、半減
投票率、過去2番目の低さ、
無党派層動かず
2大政党化、鮮明に
石原都知事の影響力低下か
公明の威力、自民に足かせ
公明の選挙協力16勝1敗
 まあ、見出しをまとめてみると、上のようなことになるのでしょうか。つまり、国政選挙の傾向をいち早く表すとしていつも注目される都議会選の結果から、これからのこの国の方向が見えてきたわけです。

 それは「2大政党化」
(民主の躍進)と「自民の退潮」(公明の影響力の拡大)、さらに、「他の政党の埋没」(共産退潮、社民の消滅、地域政党ネットのジリ貧)といった要素にまとめることができるでしょう。
 中央政界では、民主党が政権交代を視野に入れられるところまで、あと一歩に迫ったわけです。果たしてこれが今後、私たちの国にどのような結果をもたらすのでしょうか。

 ここでそれを考える前に、選挙結果を少し丁寧にながめてみました。すると、なかなか面白いことが見えてきました。

 公明党が候補を立てた選挙区は、全部で20区です。この20区のうち、自民党候補が、民主党や共産党の候補を獲得票で上回ったのは、9選挙区。逆に民主党や共産党の候補に票数で負けたのは11選挙区でした。
 つまり、この20の選挙区では、公明党支持者は当然、公明党の候補者に投票するわけですから自民党候補には投票しません。ですから、自民党候補者は自力での闘いをせざるを得ません。公明票は期待できないのです。結局、上で述べたように、
自民候補は11選挙区では公明票がないから負け、9選挙区では公明票に頼らなくてもなんとか勝った、ということになります。

  これをまとめてみると、次のようなことが考えられますよね。

 自民党対野党(異論があるかもしれませんが、一応、民主党を野党として考えてみます)の図式で見ると、自民党は9勝11敗。東京では、もうすでに公明党の「援助」がなければ、第1党の地位を維持できなくなったわけです。つまり、自民党の本当の実力は、野党に対しては9対11で負けているということになります。
 新聞報道でも、公明党が自民党へ選挙協力した選挙区では、自民党は16勝1敗だったそうです。それを、上に述べた選挙協力がなかった場合の9対11の割合で計算しなおせば、実は自民党の勝敗は7勝10敗ということになります。つまり、
公明党の「援助交際」がなければ、自民党の16人のうち9人はあえなく落選していたはずです。
 こんなの、ちょっとした計算ですよ、ホント。自民党の皆さん、しっかり検算した上で、肝に銘じてくださいね。
 したがって、それを今回の選挙結果に当てはめてみると、実は自民党の獲得議席数は<48−9=39>という結果。逆に、民主党は<35+9=44>となりますね(他の野党が議席を獲得するかもしれないので、こうすんなりとは計算できませんが)。まあ、こんなに単純には当てはまらないでしょうが、自民党と公明党が手を切るような事態が起きれば、こんな劇的な結果になっても不思議はないってことなんです。

  それはとりもなおさず、自民党は公明党に完全に首根っこを押さえられてしまったことを意味します。きっちり押さえてくれればいいけどなあ。

 
かつては「反戦平和・護憲」を旗印にしていた公明党ですが、最近は自民党に擦り寄ることで、なんだかその主張が大きくブレて、妙な方向に傾き始めたような気がしてならないのです。
 「9条改憲」を声高に叫ぶ「若き復古派」が闊歩する自民党に、公明党は本当にブレーキをかけてくれる役目を果たすことができるのでしょうか。間違っても、自公が一緒に危ない方向に走り出すなんてことがありませんように・・・。
イラスト
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