雨宮処凛がゆく!

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あったかくなったので早速公園で酒を飲む。
1人当たり500円。

 5月3日の夕方から夜にかけて、ぜひぜひあけておいてほしい。そんでもって、4時半に大久保区民センターに来てほしい。それは、プレカリアート系とかインディーズ系とか非正規系とかいろいろ呼び方はあるけど、とにかく私も実行委員をつとめる「自由と生存のメーデー」が開催されるからだ!

 正式タイトルは、昨日決まった。「自由と生存のメーデー08 プレカリアートは増殖/連結する」。06年は「プレカリアートの企みのために」と来て、07年は「プレカリアートの反抗」、そして今年は「増殖」の上「連結」するのだ! ガッシャーン! 以下、呼びかけ文。

「生存の権利。
 我々は決してパンのみで生きているのではない。
 飲んだり、さわいだりすることで生きる。
 私たちは「文化」をうばわれている。
 日々の労働/日々の消費/日々の管理によって。
 生きることを労働にしてはならない。
 生きることを余暇にしてはならない。
 我々は街に出なければならない。我々に生存を取り戻すために。
 我々は街に出なければならない。我々に自由を取り戻すために。
 我々は街に出なければならない。我々もまた生きていることを伝えるために。
 我々は生きている。だからこそ我々は抵抗する。
 生存と自由を」

 しかも今年はなんとオールナイトメーデー! 午後4時半に大久保区民センターに集合し、6時からサウンドデモ! その後は新宿のCLUB ACIDで朝までパーティー!

 更に私は今年、「インディーズ系メーデー1人で勝手に全国ツアー」を開催する。北は北海道、南は九州まで、今、各地のフリーター系労組などによる「新手の」メーデーが計画されているのだ。まずは4月29日、札幌で行われる「自由と生存の連帯メーデー」に参加、その後5月1日にはフリーターユニオン福岡の愉快な人々との企みに参加、そして3日の東京メーデー!
 他にも入れるかもしれないが、とにかく全国のプレカリアートな方々と、現地でいろいろやらかしてくるつもりだ。とりあえずこれらの全国的なとりくみを、東京では「ゴールデンメーデーウィーク」、略してGMWと呼ぶ予定だ。なんかGMWって語呂がまた無駄に豪華っぽくていい。ちなみにキャッチコピーは「ゴールデンメーデーウィーク 金はないのにゴールデン。じゃあ、メーデーでも行くか」。

 愛国パンクバンド時代、「全国ツアー」というのはひとつの夢だった。が、今考えても可哀想になるくらい人気のなかった私たちのバンドには、とても無理な話だった。しかし、全国ツアーを通りこして、なぜかイラク一国にしか行かない「世界ツアー」は成功させた。昔からそんなふうにいびつな感じの経歴なのだが、まさかその数年後、「メーデーツアー」をするとは思わなかった。

 ちょっと前まで、「メーデー」とか一生関係ないと思ってた。で、これを読んでる人の中には、「メーデー」というと「やる気のない人々のつまんないデモ」なんかを想像するかもしれない。が、プレカリアート系、インディーズ系メーデーはぜんっぜん違うのだ。格差社会と言われて久しい中、「失われた10年」で本気で失ってきた人々による、逆ギレのような叫び声、反撃、逆襲。それがメーデーに結実する。掲げるのは「自由」と「生存」。詳しいことはまた決まり次第ここで報告するが、まだ来たことがないという方にこそ、ぜひ参加してほしい。

 そんなメーデーを前に、「反貧困フェスタ」も開催される。私が副代表をつとめる「反貧困ネットワーク」による大がかりなイベントだ。3月29日、なんと神田の中学校をまるごと借り切って開催されるのだ。体育館、武道館、食堂、そして5つの教室、またまた校庭などで10時から午後4時まで、さまざまな企画が開催される。「反貧困映画祭」とか「ワークショップ 参加型で感じる世界の貧困・日本の貧困 貿易ゲーム」とか、「生活保護マニアック講座」とか、「DVと貧困」だとか、生田武志さんの講演だとか。しかも無料の医療相談会とレントゲン検診もできる上、テントブースではただで焼きとりとか焼きそばとかが食べられるらしい。フリーター労組は青空ブースで「自由と生存の花見」を開催。これ以外にもいろいろ盛り沢山なので、是非こちらでチェックしよう。

 で、私はというと、10時半から行われる「『自由と生存』の風は地球の裏側から吹いてくる」と題した対談に出演。対談相手は廣瀬純さん。ラテンアメリカの社会運動に詳しい廣瀬さんと、ネオリベについて、そして日本のプレカリアート運動についてなどなど語り合う予定だ。

 さて、その翌日にはネグリが来る。以前、ネグリとの「大ラウンドテーブル」に参加依頼を受けたのだが、日本にいないので断っていた。が、なんと航空会社のフライトスケジュールが変更となり、30日に日本にいることになったので、ネグリとの大ラウンドテーブルに参加することになった。詳しくはこちらで。

 という感じで、またいろいろと面白くなりそうなのだが、久々に公園で飲んだら風邪をひいてしまった。

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公園飲み会に必要なもの。金はないけど交流したい。
そんなあなたにオススメ! ちなみにゴミは持ち帰りましょう。

 

  

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雨宮処凛

あまみや・かりん: 1975年北海道生まれ。作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。若者の「生きづらさ」などについての著作を発表する一方、イラクや北朝鮮への渡航を重ねる。現在は新自由主義のもと、不安定さを強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組み、取材、執筆、運動中。『反撃カルチャープレカリアートの豊かな世界』(角川文芸出版)、『雨宮処凛の「生存革命」日記』(集英社)、『プレカリアートの憂鬱』(講談社)など、著書多数。2007年に『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。「反貧困ネットワーク」副代表、「週刊金曜日」編集委員、、フリーター全般労働組合組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長、09年末より厚生労働省ナショナルミニマム研究会委員。オフィシャルブログ「雨宮日記」

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