マガ9学校やりました。

2015年12月1日(火)18時半〜20時半
@東京ウィメンズプラザ

共催:マガジン9.怒れる大女子会12.1イベント実行委員会
後援:認定NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)

2014年11月にマガ9学校として、「怒れる大女子会! もういい加減にしてオッサン政治!」を開催したところ、大きな反響がありました。その後、「怒れる女子会」のコンセプトは全国各地に広がり、さまざまな地域で自主的に開催されています。今回は、最初のキックオフから1周年を記念して、「怒れる大女子会12.1イベント実行委員会」とマガジン9の共催で、東京ウィメンズプラザの大ホールで「怒れる大女子会」を行いました。平日の夜にもかかわらず、100人近くの女性たちが集まり、おおいに盛り上がった様子をご紹介します。

第1部
「私たちは怒っています!」
パネラー:雨宮処凛さん×おしどりさん

雨宮処凛(あまみや・かりん)作家・活動家。2000年に自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)でデビュー。現在もさまざまな不安定さを強いられる人々の問題に広く取り組み、取材、執筆、運動中。

おしどり芸人・ジャーナリスト。マコとケンの夫婦コンビ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。3・11以降は原発問題のジャーナリストとしても精力的に取材を続けている。

 オープニングでは、NPO法人「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」代表の上野千鶴子さんがビデオメッセージで登場。「怒りというのは、正当な権利が侵された時に持つ感情であって、対等な相手に向けられるもの。女性には長らく禁じられた感情でした。これまで女性に許されていたのは、勝ち目のない相手に向けられる“ねたみやそねみ”。しかし、強行採決による安保法制成立や原発再稼働など、理不尽なことばかり。女性たち、今、怒らないでいつ怒るの?」と呼びかけられました。
 その言葉を受けて、第1部がスタート。作家で活動家の雨宮処凛さんは、「私たちは何かと、怒ってはダメ=異議申し立てをしてはいけない、と刷り込まれてきた。自分の中でそれを飲み込むたびに、ストレスを抱えて、生きづらい思いをしている女性たちが、私のまわりにもたくさんいます。だから、怒り方もトレーニングする必要がありますね」
 「“それ、違うから!”と瞬発力的に怒りの表現をすることは、訓練することで誰でもできるようになりますよ」と話したのは芸人でジャーナリストのおしどりマコさん。子どもの頃からまわりの大人たちに対して“おこりんぼ”だったというマコさんは、そのエネルギーを猛勉強に代え、「校長に問う」という張り紙を校内に5回出して、ついに校則を変えさせたこともあったそう。
 そんなお二人が、2015年で一番印象に残った「怒りポイント」について、次のようにお話しされました。一部、書き起こしで紹介します。

おしどりマコ:私がすごく気になったのは、今年はSEALDsや北海道の「震えるデモ」など、若い女性たちがデモを主催したり、感動的なスピーチをしたりということがたくさんありました。そうした時に、男子学生も同じようなアクションをやっているのに、なぜか女子学生だけがたたかれる。それも内容ではなく、性的なことをTwitterに書かれる。そんなことがあちこちで起こっているのを見聞きして、私は、怒るというよりは、悲しくなりましたね。こんな世の中にしてしまって、ごめん、と。芸人の世界も男尊女卑が当たり前なんで、「まあ、ここはそういうところだから、いちいち言わなくてもいいかな」と「女性差別」の問題をないがしろにしてきた。それがダメだったんだなーと、私自身へこみました。

雨宮:先頃発表された、ジェンダーギャップ指数。日本はちょっと上がって、それでも世界で111位。日本がとんでもなく女性差別国家だということは、国際社会も認知しているところです。それに関連して、私が一番問題だと思うのは、女性と男性の賃金格差が著しいのに、ずっと放置され続けていること。平均で言うと、女性の賃金は、男性の半分。労働者の4割が今、非正規雇用ですが、その70%が女性です。で、女性の平均年収が142万円、貧困ラインが122万円。フルで働いてもたった20万円しか差がないのに、それが放置されている。ヨーロッパだと、例えば、男性の賃金が100%だとしたら女性は97%。その3%の差をめぐって大騒ぎですよ。でも日本ではなぜか、これだけの男女に賃金格差があるのに、大きな問題にならない。どうせ女性は結婚するだろうとか、男より女の賃金が低くて当然とか、何の根拠も合理性もなく、ずっと慣習化されてきた。明治の頃の話でもなく、2015年現在の話です。女性差別がみっちりと、それが差別と気がつかないぐらい、生活の中にあるんです。そこに、女性で、若くて、社会経験のない女子学生が、世の中に対してモノを言う、そこに対して、女性をいやしめるようなバッシングの声がいっせいに上がる。そういうことが起こるのも、うなずけます。

 「女性差別がみっちりと、日常の生活の中にも入り込んでいる」との雨宮さんの言葉には、ハッとする思いがあります。やはりみんなもっと「おこり上手、けんか上手」になる必要があるでしょう。
 「例えば東電の記者会見でも、はげしく質問したり切り込んだりした後、ぶら下がりでは“さっきはすみませんでした〜。またよろしく”と、ニコニコ挨拶すると、相手も苦笑いして和み、人間関係は悪くならない。この事柄にはめっちゃ腹立っているけど、あなたの人格を全否定しているわけではないんですからね、ということを伝えておく。こういうのって、わりと女性の方が向いているというように思いますね」とマコさん。「ある問題に対して怒ること」は、議論の一つの方法であって、決して怒鳴り散らして、相手の話を聞かないということではありません。

第2部
「議会に入って見えたこと」
(地方女性議員のトークセッション)
パネラー:太田あゆみさん(香川県高松市市議・市民派改革ネット)、国府田さとみさん(愛知県東郷町議会議員・民主党)、加賀谷富士子さん(群馬県議会議員・リベラル群馬)※写真左から
MC:おしどりさん

 第2部は、2015年に地方議会にデビューした3人が登壇しました。太田あゆみさん、国府田さとみさん、加賀谷富士子さんによるトークセッションです。
 太田さんは、香川県の県庁所在地である高松市(人口42万人)の市議。現在35歳、議会の中で最年少。シングルマザーです。「女に政治は向いてない」とする保守的な空気が強い地方都市で奮闘中。
 国府田さんは、愛知県愛知郡東郷町(人口4万人)の町議。自宅で料理教室を開く傍ら、女性目線の公開討論会を企画主催。議員になったのは、それらの活動の延長線上みたいなもの、だそう。
 加賀谷さんは、群馬県伊勢崎市(人口21万人)選出の県議。3・11以降にはじめた脱原発の市民運動がきっかけで、選挙に出馬。現在37歳で3人の娘と専業主夫の夫に支えられながら政治活動を行っている。
 3人とも同じ年代の新人地方議員ですが、所属する自治体の規模や地域の特徴によって、議会の雰囲気は大きく異なるようです。
 国府田さんは、「定数16人のうち、5人が女性。入ってみると、居心地は悪くなく、ウェルカムな雰囲気を感じている。私の提案や意見についても、“さすが女性の視点だよね”ということを言ってもらえる」。
 加賀谷さんの所属する群馬県議会は、自民党の歴代首相を4人も輩出している保守王国。定数50人のうち、女性は3人。加賀谷さんの地域から女性を県議会に送り込めたのは、実に68年ぶり。「女性でなおかつリベラル派閥という、超少数派。逆に珍しがられるので、いじめられたりということはありませんね。でも、主夫をしている夫に対しては、いろいろと言う人がいるようで、それがかわいそうかなと思います」

 太田さんは、「定数40人に対して女性は7人。これでも増えたんです。しかし、私のところは、残念ながら議会はまさに “オッサン政治”の温床。居眠りばかりしているベテランの保守系男性議員にびっくりしたし、税金が本当に無駄」と訴えます。有権者からも「若い女が政治に口出しするなんて」との冷ややかな態度があったそうですが、それでも、選挙の結果は40人中8位という上位当選。「どこから票が湧いてきたのか、今だにわからない」と太田さん。彼女の孤立無縁ぶりを聞いていた国府田さんは、「私も最初に議会に入る時は、おそるおそるだったけれど…とにかくポジティブキャンペーンでやろう、と決めたんです。私はあなたの敵ではありませんよ、という態度で、対立するのではなく意見の異なる相手に対しては、なぜこの人はこの考えに至ったんだろうか? と思いをはせてみる。そういったことも、大事ではないでしょうか?」。太田さんもそれに対して「そうですね、私もなぜ彼らがそう考えて行動しているのか、“オッサン”を理解するところから始めてみます」と締めくくりました。

第3部
「私たちが動いて変える!」
(動き出した女性たち)
パネラー:武井由起子さん(ママの会@神奈川・ミナカナ)、武井たか子さん(女性を議会へ送る会@松山)、谷こころさん(SEALDs)、中溝ゆきさん(OVERSEAs)※写真左から
MC:おしどりさん

 第3部は、4人の動き出した女性たちによるリレートークです。中溝ゆきさんは、OVERSEAs(安保法制に反対する海外在住者/関係者の会)発起人のお一人です。「海外在住の方で、日本のニュースを見ていてもどかしい思いをしている方がたくさんいらっしゃる。また地域によってはテロの脅威にもさらされることになり、今回の安保法成立について、ものすごく深刻に考えています。外から見れば日本の方たちは、どこか呑気にみえるようです」
 現在大学生でSEALDsのメンバーの谷こころさんは、「私は民主主義に観客席はない、と思っています。次の参議院選挙は、私にとって初めて選挙権を行使する選挙。強い怒りを感じている今、何かできるか、仲間たちと考えているところです」と自分の言葉で思いを語ってくれました。
 武井たか子さんは、愛媛県松山市で20年前に、女性を議会に送る会を立ち上げ、活動を続けてきました。自身は松山市議会議員を務めていらっしゃいます。「怒れる女子会の存在を知って、とても勇気づけられました。愛媛の問題解決には、愛媛の人が動かないとダメ。これはみなさんの各自治体でも同じことだと思う。選挙も同じです。それを呼びかけたい」
 弁護士の武井由起子さんは、ママの会@神奈川やミナカナなどの活動を行っています。その他にもOVERSEAsや憲法カフェ、国会前デモの見回り弁護士など、積極的に動いてきた方。「アイディアが良ければ、誰かが一緒に走ってくれる。そう思ってあれこれやってきた。そんな私も政治や選挙だけは、ちょっと距離を置いてきた。でも、そんなことはもう言ってられない。選挙をどうしたら闘えるか、その勉強をしつつ、地元の女性たちを中心に参院戦に向けて、全力でやっているところです!」

 おしどりマコさん、ケンさんは、「これからは、それぞれが想定外の動きをすることが大事になりますね。その上で、まわりを巻き込めるどうか。また来年の選挙までには、一票投じる以外にも、いろいろなアクションができますよね。例えば、文房具店にいったら、“脱原発、脱被爆、再稼働反対”って試し書きをしまくる、とかね。あと、沖縄にいったら琉球新報や沖縄タイムスの新聞をたくさん買ってきて、わざと電車の座席に置き忘れていくとか…笑」。なるほど。自分の「意思の爪痕」を残していく、そんな「技」も紹介してくれました。

クロージング
辻元清美さん(衆議院議員)、太田啓子さん(弁護士・怒れる女子会世話人)

辻元清美(つじもと・きよみ)衆議院議員。大学在学中に国際交流NGOを創設、世界60カ国と民間外交を進める。1996年、衆議院選挙にて初当選。2009年国土交通副大臣、2011年 災害ボランティア担当の首相補佐官を歴任。6期目。衆議院予算委員、平和安全法制特別委員、憲法審査会委員、民主党政策調査会長代理、ネクスト内閣官房副長官、共生社会創造本部幹事、NPO議員連盟幹事長などを務める。

太田啓子(おおた・けいこ)弁護士、怒れる女子会呼びかけ人のひとり。集団的自衛権行使容認、安保法制に強い危機感を持ち、カジュアルな雰囲気で憲法を学べる学習会「憲法カフェ」を、地元の仲間とともに企画・開催してきた。「明日の自由を守る若手弁護士の会」のメンバーでもある。

 クロージングでは、怒れる女子会呼びかけ人である、弁護士の太田啓子さんが登場。「1年間で100近くもの怒れる女子会が各地で開かれたことは、それだけニーズがあったということだと思う。楽しくて魅力的でないと、人は集まってこないですからね。今後も、さらにあちこちで、怒れる女子会が開かれることを期待しています。これからも、おかしいことには、おかしい! とみんなで声をあげていきましょう!」

 また、辻元清美衆議議員も駆けつけ、「怒れる女子会の仲間に入れてもらいたくて、やってきました。私は、前回の選挙の時、ものすごく厳しい闘いでしたが、大阪の女性たちが怒れる女子会のキャラクターを使って、私の応援をしてくれました。また、大阪都構想の住民投票がありましたが、このキャラクターとロゴが入った横断幕を持って、“大阪の女は橋下さんに怒ってる!”と、自民党の女性議員とも一緒に、歩いたんですよ」と、自身の怒れる女子会体験を報告してくれました。

 「怒り」がテーマでしたが、会場は終始笑い声に包まれ、あっという間に終了となりました。最後にみんなでキャラクターの怒女子(どじょし)ちゃんを囲んで記念撮影。2016年も、あちこちで、「怒れる女子会」の花が咲きますように! 女性たちの「怒り」のパワーで、社会や政治が、より良いものに変わる。そんな思いをみんなで確信した会となりました。

☆イベントの模様の動画は、こちらから見ることができます。

*「怒れる女子会」とは、特定政党を応援したり批判したりするものではなく、「オッサン政治」を変えたい人たちが、リアルな空間で集まっておしゃべりをする場です。
*「オッサン政治」とは、「独善的で、上から目線で、自分がいつも正しいと思っている“オッサン”が議会や政府の圧倒的多数を占め、他人の意見に耳を傾けずにどんどん決めていってしまう政治のありかた」と定義しています。
*このイベントは、認定NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)の助成金を受けて実施しました。

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●アンケートに書いてくださった感想の一部を掲載いたします。(敬称略)

最近怒ることが多すぎて疲れていたのですが、またアクションしていく元気が出てきました。たくさん笑いました。まさに、楽しくみんなで、ですね! 友達を誘いたくなるようなイベントでした。(匿名希望)

盛り沢山の内容でした。来てよかったです! 政治の政界を分断しているのは男女という性別よりも考え方や価値観なのかな? と思いました。(匿名希望)

いろんな“怒り”を行動力に変え、全国各地で活躍されている方々のお話を聞くことができて、とても元気になれました。私も1年生議員としていろいろヘコむこともありますが、先人のお知恵を借りながらがんばっていきます! (松田典子)

怒るということの意味がよくわかった。恨みの感情は人を動かさなくなるが、怒りの感情は人を動かすという言葉に納得した。(辻 浩司)

自分が女性である事、考えさせられました。(松山千穂)

短い時間だったのでしかたないが、具体的に何ができるかをもっと話したかった。怒りのポジティブな面を話してくれてよかった。(市村貴絵)

がんばろう! と思ったよ~。(匿名希望)

 

  

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