「希望のエリア」のあきらめない人々

2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所事故が発生。事故後、国会前や首相官邸前には、多くの人たちが集まり、抗議の声をあげました。一人ひとりが自分の意思で集まり、それぞれ独自のスタイルで行う抗議行動が生まれていったのです。事故から数年が経ったいまも、毎週金曜日には脱原発を求める人々が全国各地で集まっています。国会前「希望のエリア」も、そうした「金曜行動」のひとつ。「希望のエリア」のスタッフが、そこに集まる人々の思いを連載で伝えます。

第1回

国会前から伝える、「脱原発」の声

「希望のエリア」はあの日、子どもを守るために始まった

 2012年の3月から、毎週金曜日の夜、原発に反対する官邸前の抗議行動が始まりました。週を重ねる毎に参加者は劇的に増え、歩道から溢れんばかりとなりました。そのような状況でも、止むに止まれず小さなお子さんを連れて参加するお父さんお母さんの姿は絶えることがありませんでした。
 国会に向かって歩道の右側、憲政会館横のスペースにある「希望のエリア」は、その頃「ファミリーゾーン」と呼ばれていて、お子さん連れのお父さんやお母さんも安心して抗議行動に参加出来るようにと設けられた場所です。
 最初は、スピーカーから流れてくる政治家や参加者のスピーチを聞くだけの場所でしたが「私たちにも声を上げさせて欲しい!」という参加者のお母さんの声に応え、独自の抗議エリア「ファミリーエリア」となっていったのでした。

左が紫野明日香さん。ドラム隊も毎週参加

再稼働にもめげず、声を上げ続ける金曜日

 2012年の初夏には、福井県の大飯原発の再稼働反対の声が更に高まり、国会周辺には主催者発表で20万人もの人が集まりました。2014年2月からファミリーエリアは「希望のエリア」と新しく名前を変え、現在も毎週金曜日の夜に、「原発いらない!命を守ろう!子どもを守ろう!」と声を上げ続けています。以前に比べると、参加者が少なくなったとはいえ、声を上げ続けている人達がまだまだたくさんいます。今でも毎週金曜日に全国各地100カ所以上で抗議行動が続けられているのです。

絶対にあきらめない人々が到達した、抗議を続ける秘訣

 「希望のエリア」は「出来るだけ優しい言葉で、明るく楽しく」をモットーに、初めて抗議に参加される方や、お子さんにとっても居心地のいい場所でありたいと考え、運営しています。誰でも気軽に自由に発言したり、歌ったりしていただける「ゆるさ」も大切にしています。「抗議の場がなぜ心地良いのか」と不思議に感じる人もいるかもしれません。でも、それこそが長く続ける秘訣だと、私たちは考えているのです。
 何かに反対し続けるという事には大変なエネルギーが必要です。怒りだけで続けるのは難しく、時にはホッと出来る癒やしも必要なのです。そうして続けるうち、「金曜日の夜にはここに来ないと、1週間が終わった気がしない」という人が増えることとなりました。

毎週、さまざまな参加者がスピーチや音楽の演奏を行う

「民主主義の夜間学校」に集う人たち

 ここでは参加者が主役となり、お互いに学び合い、喜びや悲しみを共有し、一緒にゆるやかに繋がって声を上げ、行動しています。ここに集う人たちは皆さんしっかりと問題意識を持ち、本当によく勉強し、考えています。そうして希望のエリアはいつしか「民主主義の夜間学校」と呼ばれるようになりました。
 参加者の方々はとても多彩です。団体に所属している方は少なく、殆どが頼まれもしないのに個人で参加しています。暑い夏も、寒い冬も、お構いなしです。 各地の原発を再稼働させようと躍起になっている勢力の巻き返しが高まる中、参加者の思いは熱く、「原発をなくすまで絶対に諦めない!」と頑張っています。

国会前から脱原発の声をお届けします

 ご縁をいただき、今回より隔週の予定で連載を始めることとなりました。金曜日の夜、どんな方がどんな思いで声を上げているのか、ぜひ知っていただきたいと思います。そして、金曜日はご一緒に「原発いらない!」の声を上げていただければ幸いです。

(国会前「希望のエリア」スタッフ 紫野明日香)

 

  

※コメントは承認制です。
国会前から伝える、「脱原発」の声」 に2件のコメント

  1. magazine9 より:

    政治との距離に歯がゆい思いをすることも多く、思わず無気力になりそうな瞬間もあります。しかし、いまも毎週金曜日、日本各地で「脱原発」の声をあげ続けている人たちがいることに励まされる思いです。この国会前「希望のエリア」には、福島をはじめとして各地から人が訪れるそうです。次回からは、そんなさまざまな参加者たちの声、そしてスタッフの活動や思いをお届けしていただく予定です。どうぞご期待ください。

  2. 寺沢 武史 より:

    大きな集会やデモには時々参加してますが、いつも思うんですがこんなに多くの人が、どこからどうして集まるんだろうと?金曜日の声を聞かせていただき分かりました。何年も前からの地道な積み重ねなんですね。
    怒りだけでなく、ゆるさが大切、本当にそうですね。若い人たちに教わったのは、楽しくなくっちゃって事でした。
    私たち年配者も、まずは健康そして楽しく明るく、声をあげ続けます。

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希望のエリア:原発に反対する官邸前抗議行動として、2012年3月から毎週金曜夜にスタート。当初は、子ども連れでも参加しやすいよう「ファミリーエリア」として国会前の歩道横に設けられたスペースだったが、その後「希望のエリア」と名称を変え、幅広い世代が参加する独自の抗議エリアとして、毎週金曜の夜に活動を続けている。

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