「希望のエリア」のあきらめない人々

2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所事故が発生。事故後、国会前や首相官邸前には、多くの人たちが集まり、抗議の声をあげました。一人ひとりが自分の意思で集まり、それぞれ独自のスタイルで行う抗議行動が生まれていったのです。事故から数年が経ったいまも、毎週金曜日には脱原発を求める人々が全国各地で集まっています。国会前「希望のエリア」も、そうした「金曜行動」のひとつ。「希望のエリア」のスタッフが、そこに集まる人々の思いを連載で伝えます。

第6回

希望のエリアとローカルアクション

希望のエリアはパワースポット

 「元気をもらいました」「勇気がもてました」「また1週間、頑張れます」と口々におっしゃる参加者の皆さん。すると、「私たちスタッフこそ、参加者の皆さんから元気や勇気を頂いて、また1週間頑張れるんですよ」と司会進行役の明日香さんと二朗さん。
 こんな会話を何度聞いたことでしょう。
 また、時には、地方で反原発の金曜行動を主催してらっしゃる方々が希望のエリアにいらして、「国会前で抗議を続けて下さる方がいるので、私たちも頑張れます」とスピーチして下さいます。それを聞いて、参加者の皆さんもスタッフも、全国各地で金曜行動が行われていることを実感し、脱原発運動の裾野が確実に拡がっていることに元気や勇気を頂くのです。
 抗議行動の場であるにもかかわらず、希望のエリアは不思議と生きる活力をチャージする場になっています。特定の誰かがパワーを与えるのではなく、そこにいる皆さんのパワーがひとつになって、その場のパワーをもらう感じなのです。それは、参加者一人ひとりの皆さんが主体だからなのかもしれません。

板橋でのデモにみんなで参加

ローカルアクションも大切

 希望のエリアを主催する団体は「パパママぼくの脱原発ウォーク」といい、 もともと東京・吉祥寺を中心に武蔵野・三鷹地域で活動をしています。6月12日には、第11回目のデモ「選挙だ!わっしょい!」を開催します。また、地元の他団体の方々と協力して、4月24日には安保法制廃止のための第4回目の「平和がいいね! 吉祥寺PEACEパレード」も開催予定です。
 国会前での抗議行動と同等に、地元での周知活動を主とするローカルアクション、そして、脱原発・反原発の活動を全国各地でしていらっしゃる方々との連帯も、とても大切にしています。ですから、希望のエリアでも、自然とローカルアクションの告知は多くなりますし、希望のエリアに集う皆さんもローカルアクションを盛り上げようと、ドラムなどの鳴り物やプラカードを持って、各地のローカルアクションへ足を運びます。
 「高田馬場 ニューイヤー脱原発デモ!」や「脱原発久里浜パレード」のほか、大田区、国分寺、板橋、東久留米、立川のピースパレード等々、希望のエリアから多くの方々が参加し、交流が深まり、希望の輪が拡がっているように感じます。

「パパママぼくの脱原発ウォーク」の様子

希望の種が風に乗って

 希望のエリアで元気や勇気をもらうと、微力でも自分も何かできることをしようと行動したくなるように思います。それは、希望のエリアで聞いた情報を家族や友人、同僚に伝えることだったり、配布されたチラシを配ることだったり、ローカルデモに参加することだったり、パブリックコメントを出すことだったり、街頭でスタンディングすることだったりします。また、青森の大間原発建設に反対する「あさこはうす」に続く道が閉鎖されないように、定期的にハガキを出すことだったりします。
 皆さんが、それぞれの場でできることをやっていらっしゃるのです。
 かく言う筆者も、命を蔑ろにする暴走政治に対して何かしなければと、希望のエリアで知り合った自由が丘婦人の“もんちゃん”と、安保法制廃止のための署名活動を自由が丘でしようと計画しました。時同じくして、ご縁を頂いた尾山台で反原発の行動をされてきた2人のおじさまが、安保法制廃止のために何かできることはないかと思案していらっしゃいました。そのお2人に、私は希望のエリアとその主催者のローカルアクションのお話をさせて頂きました。興味を持たれたお2人が希望のエリアに参加して、スピーチもされました。そこで、お2人はすっかり希望のエリアに触発され、もんちゃんとも繋がり、一緒に署名活動をすることになりました。

 普段から地元で活動されている方の底力と、希望のエリアの「楽しく行動する」エッセンスが融合し、1月に行われた自由が丘駅頭での第1回署名活動は、約30名の参加で146筆を集めることができました。ここにも希望のエリアの方々が参加してくださり、目黒で署名活動をされている方々とも交流が深まりました。
 その後月1回のペースで署名活動をし、その集大成として、なんと題して「みんなの自由が丘大行進♪~平和に1票~」を開催することになりました。6月5日(日)13時に「世田谷区立奥沢6丁目緑地」(東急大井町線九品仏駅徒歩1分)集合です。多くの方にご参加頂き、参院選に向けてアピールできたらと思います。

(国会前「希望のエリア」スタッフ/毛里美穂子)

 

  

※コメントは承認制です。
第6回 希望のエリアとローカルアクション」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    「希望のエリア」から、参加者それぞれの地域へと活動が広がっている様子を伝えていただきました。国会前も地域での活動も、どちらも大事。各自ができることに取り組み、つながることで、大きな力になっていくのだと思います。

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マガジン9

希望のエリア:原発に反対する官邸前抗議行動として、2012年3月から毎週金曜夜にスタート。当初は、子ども連れでも参加しやすいよう「ファミリーエリア」として国会前の歩道横に設けられたスペースだったが、その後「希望のエリア」と名称を変え、幅広い世代が参加する独自の抗議エリアとして、毎週金曜の夜に活動を続けている。

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