「希望のエリア」のあきらめない人々

2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所事故が発生。事故後、国会前や首相官邸前には、多くの人たちが集まり、抗議の声をあげました。一人ひとりが自分の意思で集まり、それぞれ独自のスタイルで行う抗議行動が生まれていったのです。事故から数年が経ったいまも、毎週金曜日には脱原発を求める人々が全国各地で集まっています。国会前「希望のエリア」も、そうした「金曜行動」のひとつ。「希望のエリア」のスタッフが、そこに集まる人々の思いを連載で伝えます。

第11回

Hope for peace

反原発の新知事が誕生!

 7月10日、言わずと知れた参議院議員選挙でした。
 公示日後から選挙2日前の金曜日も、私たち「希望のエリア」は、ずっと休まず「原発いらない」「命を守ろう」と声をあげ続けていました。そう、希望のエリアはあきらめない人々の集まりなんです。選挙期間中は政党や候補者についてマイクを使っての応援などはできなくなります。だから、スピーチもコールも内容が大変に難しくなる訳です。
 さて、その参議院議員選挙と平行して鹿児島県知事選挙も行われていました。鹿児島県は川内原発の立地県であり、熊本の地震を受けても稼働し続けている危険な原発であることはよく知られています。
 その県知事選挙は、このまま川内原発を停止することなく動かし続けるのか、それとも一度停止をさせるのかという大きな選択選挙でした。結果は、元テレビ朝日コメンテーターの三反園訓氏が現職の伊藤祐一郎氏を破って当選。反原発の新人知事の誕生という快挙をもたらしました(東京新聞 7月13日)。そして、知事に当選するやいなや三反園さんは、川内原発停止を要請する方針を明らかにしました。(佐賀新聞 7月14日)。
 こうして良いこともあるわけです!

「Hope for peace」について

 

 
 希望のエリアでは、今までにタグやプラカードなどを作って来ました。そして、いつかは参加者の方々と揃いのTシャツを、と考えていました。この夏、ようやく念願がかない、希望のエリアのTシャツを作ることになりました。
 胸の部分のプリントを何にするか、いろいろと考え、候補がいくつか出るなかで「Hope for peace」はどうだろうかということになりました。「平和」と「希望」この2つのキーワードが重なっていて、希望のエリアに相応しいのではないかと考えてのことです。
 英語としてどうなのか確認したくて、参加者の一人で英語に詳しいロイさんに伺ったところ、「これほど希望のエリアに相応しい言葉はない」とのことでした。
 そして、皆さんにお披露目の当日、ロイさんから驚きのスピーチがありました。
 「レバノンは内戦に継ぐ内戦で、ようやく平和が訪れたとき、市民が集まってもう戦争はこりごりだ、内戦の反省に立って二度と再び戦争の惨禍を繰り返さないように、とモニュメントを建設したのですが、そのモニュメントの名前がこの『Hope for peace』なんです。まさしく希望のエリアに相応しい言葉なんです」
 知らずに選んだ言葉にこんな意味があったとは!
 私たち、希望のエリアスタッフは自信を持ってお届けしたいと思います。Tシャツは、赤、青、黒の3色。素敵でしょう?

 ※レバノン共和国にある「Hope for peace」のモニュメントについてはこちら(英文)。

(国会前「希望のエリア」スタッフ/土肥二朗)

 

  

※コメントは承認制です。
第11回 Hope for peace」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    今回の選挙結果を経て、あきらめないことの大切さをますます感じています。世界中の人々と「平和への希望」を共有しながら、それぞれの持ち場で出来ることを続けていくしかありません。コラムで紹介されていた「Hope for peace」Tシャツは、金曜日の「希望のエリア」で販売しているそうです。

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マガジン9

希望のエリア:原発に反対する官邸前抗議行動として、2012年3月から毎週金曜夜にスタート。当初は、子ども連れでも参加しやすいよう「ファミリーエリア」として国会前の歩道横に設けられたスペースだったが、その後「希望のエリア」と名称を変え、幅広い世代が参加する独自の抗議エリアとして、毎週金曜の夜に活動を続けている。

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