「希望のエリア」のあきらめない人々

2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所事故が発生。事故後、国会前や首相官邸前には、多くの人たちが集まり、抗議の声をあげました。一人ひとりが自分の意思で集まり、それぞれ独自のスタイルで行う抗議行動が生まれていったのです。事故から数年が経ったいまも、毎週金曜日には脱原発を求める人々が全国各地で集まっています。国会前「希望のエリア」も、そうした「金曜行動」のひとつ。「希望のエリア」のスタッフが、そこに集まる人々の思いを連載で伝えます。

第25回

奇跡のような、
仲間との出会い

 「わー、なにこのお二人、カッコいい! 国会前でやってるんだ⁈」

 インターネット放送の「デモクラTV」で、鈴木耕さんの国会前の抗議行動についての番組を見た時の第一印象でした。すぐにFacebookで名前を探して、「いつか私も国会前の抗議行動に行ってみたいです、よろしくお願いします!」と友達申請をしてみました。それが2013年、約4年前のことで、そのカッコいいお二人が、希望のエリアを主宰する明日香さんと二朗さんでした。

 その時、私はまだ東京に住むなどと想像していなかったのですが、2015年8月に、突然東京に引っ越しすることになりました。運命が引き合わせてくれたのですね。こんな奇跡の出会いに今更ながらに胸がいっぱいになります。

 みなさん覚えていますよね、2015年夏と言えば、戦争法反対で毎日抗議の人が大勢押し寄せた国会周辺でしたね。そんな人混みの中、希望のエリアにたどり着きました。

 希望のエリアは、3・11から原発を止めるためにずっと声を上げ続けています。「こんなスゴイところに私なんかが途中から参加してもいいのかしら?」「一人で参加するなんてちょっと勇気がいるなぁ」というドキドキの想いとともにいざ希望のエリアへ…。

 実際に行ってみると希望のエリアはとっても入り易い感じがありました。明日香さんと二朗さんのショー的な、ステージを見に行くような感覚がありました。それから、用事がなければ暑くても寒くても雨が降っても雪が降っても、金曜日は希望のエリア! 飲み会に誘われても断る、私の最優先のイベントとなりました。

 希望のエリアは大人の夜間学校でもあります。一般の報道には載らないことを学ぶことができます。原発問題についての新しい情報を聞けます。福島からの生の声を聞くことができます。さまざまな活動をなさってる方々のお話を聞けます。皆さんのスピーチにはいつも感心させられます。

 希望のエリアは音楽もあります。プロの凄い人達が希望のエリア音楽隊となっていますので、素晴らしい音楽が聞けます。「ケサラ」を歌う力強い明日香さんの歌声に涙が出ます。福島や沖縄、熊本のことを思いながら、みんなで「ふるさと」を歌ったりします。抗議行動ですが、楽しい音楽もあるのが希望のエリアです。音楽でも心が震えます。

 明日香さんと二朗さんの政治談義も面白過ぎで、私はこれを政治漫談と呼んでいます。一週間にあった出来事を、面白おかしく話題にしてくれます。抗議行動は暑い寒い辛いこともありますが、やっぱりユーモア、楽しさも必要ですよね。

 「明日香さんコール」が特別で、優しい言葉で、わかり易く、心に響く言葉なのです。一緒に声を上げている時は、心で聞かないようにしています。なぜなら声を出したら泣いてしまいそうになるからです。欠席した時に、Facebookやツイキャス中継の録画を見る時、何度聞いても涙がこぼれます。みんなが声を上げている姿を見る時、胸が熱くなります。

 参加者の仲間には、国会傍聴やTPP反対の座り込み、地域での集会デモなどにも誘っていただき、本当にこんなにも楽しくていいのかと思うくらい、抗議行動が心嬉しいものになっています。

 希望のエリアの遠足もありました。代々木・築地探索、埼玉の高麗散策などをしました。高円寺のライブハウスで「希望まつり」というイベントもありました。色々な企画をされているので本当に楽しみです。

 希望のエリアには手話通訳さんが3人もいます。杉本さん、大沢さん、松木さんです。たまたま帰る方向が一緒なので、帰りの電車でも、3人から普段聞くことができないお話をたくさん聞くことができました。

 奇跡のようなこの出会い、同じ方向を向いている仲間との出会い、だからこそ居心地もよく、希望のエリアに参加するだけで楽しくて、勇気や元気をもらえます。一生の友がたくさんできました、幸せです。離れていても連帯です。こんな凄い希望のエリアに感謝です。

 明日香さん、二朗さん、希望のエリアの皆さん、本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

(国会前「希望のエリア」参加者/たけなかまき)

 

 

  

※コメントは承認制です。
第25回 奇跡のような、仲間との出会い」 に2件のコメント

  1. magazine9 より:

    今回も、参加者の方が書いてくださいました。どの参加者のコラムからも、「希望のエリア」へのあたたかな思いが伝わってきます。脱原発への道のりはまだ厳しいですが、尊敬し励まし合える仲間とのネットワークが広がっていくことで、社会は少しずつ変わっていくのではという希望を感じます。希望のエリアの金曜行動は、毎週18時半~。場所や最新情報については、「希望のエリア勝手に広報部」のFacebookページをご覧になってみてください。

  2. 東條健司 より:

    「希望のエリヤ」ってどこですか? 国会の方向のどこで、何時~、金曜日ですね?

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マガジン9

希望のエリア:原発に反対する官邸前抗議行動として、2012年3月から毎週金曜夜にスタート。当初は、子ども連れでも参加しやすいよう「ファミリーエリア」として国会前の歩道横に設けられたスペースだったが、その後「希望のエリア」と名称を変え、幅広い世代が参加する独自の抗議エリアとして、毎週金曜の夜に活動を続けている。

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