おしどりマコ&ケンの「脱ってみる?」

 前回はちょっとテンション低めでしたが、一瞬だけで、もーうすぐに動きまくってますよ! 動きすぎて書く時間がないくらい… トホホ。

 昨年までの「脱ってみる?」は一回の情報量が多すぎる! との声もたくさん頂き、そして、自分で過去の情報を検索するときでも、みづらいのう! と思っていたので、今年からはこの週一回更新の「脱ってみる?」をウィークリーとし、新たに「脱ってみる? デイリー」を立ち上げて頂きました。
こちら! 

 年末年始の情報更新もできるよう、急いで立ち上げて頂いたのに、全く書けてなくてごめんなさい!

 1月7日の「白熱教室ならぬ白熱実験~福島原発事故後のjustice(正義)を考えよう」のイベントの仕切りが急遽、私たちになり、その準備に12月31日からかかりきりになったので、年末年始の空いている時間はほぼそれにつぎ込みました。このイベントに予約メールをいれると、ケンパルから返事がいったので、みなさん驚かれたことでしょう!

 それが終わって、さーあ、たまっていた記事を書くぜ! 情報てんこもりだぜ! と思っていたら、1月9日の東京電力の会見で、作業員の方が倒れて心肺停止状態でいわき共立病院に運ばれる、ということが発表され、その件にかかりきりでした。

 去年、福島第一原発で作業員の方が3人お亡くなりになり、そのうちお2人がいわき共立病院に搬送されているのです。東京電力によると「ご遺族の意向とプライバシー」ということで、ほとんど情報が出ないまま、荼毘に付されているのです。

 作業員の方々のおかれている状況には以前から強く疑問と怒りを感じていました。

▼脱ってみる? 第23回
作業員の方々の健康管理はどこがチェックしてるの? 加害者側の東京電力の自己申告のみ? の件。 

▼脱ってみる? 第24回
福島原発作業員の方々の健康管理の件。~行政解剖は?水晶体の検査は?~

 そして去年からこの件を追いかけて、いわき共立病院や管轄の警察署や、いわきの関係者にあたっていた私は、今回、9日に作業員の方が心肺停止状態でいわき共立病院に搬送された時点、9日の夜のお亡くなりになった時点で、ある程度の情報を得ていました。

 なので、すぐにいわきに入り、関係者、病院、警察、雇用主、役所などなどに当たっていきました。

 そして考えたすえ、この件は少し慎重に動きたいので、週刊文春さんと相談して、文春の記者さまと一緒に動いて頂きました。

 ということで、1月19日発売の週刊文春にわたくしの記事が載っていますよ! (ゴメンナサイ、宣伝になっちゃった!)

 でもさ、けっこう膨大な取材して、情報たくさんあるのにさ、記事は1ページだったの、これじゃー時系列も書けないや、と思いながら、泣く泣くポイントしぼって書いていたら、入稿したあとに、記者さまから連絡。

 「信じられないことに、浜崎あゆみさんの離婚で、各記事少しずつ短くしてスペースを空けるという措置が!」

 ぬぉ~~~!!

 と悔しさをツイッターで呟いたら、

 はまさきー! きさまはー!(回文になっています) という粋なツィートが返ってきて、和みました。

 ま、しょうがないね、読者さまたちが「芸能ニュースより、原発事故ニュースをもっと載せろや!」と凄まないと、変わらないことでしょう。

 週刊文春さまもけっこう、あちこちと闘ってるもの。なので、闘うときの訴訟に強い、ということで文春をご紹介して頂いたのだけれど。

 文春の記者さまの仕事っぷりには、感銘を受けました。会見や仕事で今までお会いした記者さまがたは、うん、まぁそんな感じね? みたいな印象だったのですが、今回ご一緒した方には、こてんぱんにやられました。

 わー私、足りないものがいっぱいあるわー… というわけで、うっかり「社会人の常識」「正しい敬語の使い方」など手にする始末。字もキレイだしさ、「ペン習字をやってらしたんですか?」とマヌケな質問をして爆笑されたり。

 お風呂の中で「渋谷のマルイの店員さんも字が美しかったし、東京の男の人はみんな字がキレイなのかな?」とぼんやり考えたあとで、思いあたりました。

 「違う! ケンパルが字が弱いだけだから私の標準が低いんだ!」

 まー、ひらがなさえ間違う人間が一番身近なので、と冷静さを取り戻しつつ。

 けど、3回書き直して、4回めにやっとOK(そのアドバイスも的確なんですよー)。私の能力不足で記者さまを徹夜につきあわせて申し訳ないことしたな、と思い、上杉隆にちょっと質問。

 「上杉さんは文春では何回書き直しされてます?」

 「だいたい4,5回は書き直すよ。それが文春クオリティ」

 わーすごいのね、でも上杉さんより少ない回数でやったね、でも単にタイムリミットなのかもしれないな…

 徹夜中に一度、原稿送っても返事が返ってこず、何回電話をしても返りがなく、あらーお眠りになったのかしら、しばらく待つか、と思ってたら少しして電話がかかってきて。

 「すみません、電話のボタンを間違ったとこ押してて、電話を取れなくて…」

 …いいよいいよ! 眠ってたって言ってもいいよ! そ、そんなしょうもないこと言わせてごめんよ! ど、ど、どこまで二枚目な方なんだ!

 そんなほほえましいエピソードも隠されている記事をどうぞご覧ください。

***

 とまぁ、このように、「脱ってみる? ウィークリー」は1つの情報に特化せず、見出し的な役割にしていこうと思っています。以前のような詳細ダダ漏れ情報は「脱ってみる? デイリー」で!

 これから書いていく記事として

○小さき花市民放射能測定室仙台SSSの石森さんへのお話

 1月5日に伺ってきました。

 有機農業を28年営んできた石森さん。原発事故後、宮城県との驚きのやりとりがありました。

石森さん「うちの野菜を測定したら200Bq/kg出たから、もう、これは安全な野菜として有機農業では売れないよ!」

宮城県「国の基準値以下だから売れますよ」

石森さん「いや有機農業として、安全な野菜という商品にならないんだよ!」

宮城県「じゃあ今年だけ有機農業やめて普通の農業したら。そうして売ったらいいじゃないですか」

 ど、ど、どんなトンチだ!!

 などなど伺ったお話の詳細も近日掲載!

○被災者生活支援チーム医療班福島班長への電話インタビュー

 昨年12月16日、最後の統合本部合同会見での私の質問のひとつ、

——結局、事故直後の住民の内部被曝の評価はどうするのですか?

 に対しての園田政務官のお答え、

 「これから検討していきますが、被災者生活支援チーム医療班が動き出した、とも聞いています」

 なぬー!! ということで、すぐに福島班長にお聞きしました。脱ってみる? 愛読者のみなさまはご存知、小児甲状腺サーベイや県民健康管理検討委員会でもおなじみ、あの福島班長だぜ!!

——福島班長が事故直後の内部被曝調査をされるの? 園田政務官が最後の統合会見でそうおっしゃって、驚いたんだけど、いつそれが決まったの? 

福島班長「その日」

 という、いつも私と仲良くしてくださる福島班長への電話取材も近日公開!!

○1月7日のイベント「白熱教室ならぬ白熱実験~福島原発事故後のjustice(正義)を考えよう」の詳細もアップします!

 膨大なアンケートも匿名で少しずつご紹介します!

○FLASHの取材で浜岡原発に行ってきました(1月16日発売号)
 その模様、超豪華な浜岡原子力館のことも書きます!!

 そうだ、1月9日に浜岡原発に取材に行き、その帰り道に作業員がお倒れになったことを知り、東京電力の会見に駆けつけるため、新幹線の中で衣装を着替えたんだった…

○その他、東京電力の会見、安全委員会の傍聴、いわき市で伺った現状

 などなど、書いていきますよ!!

***

 いや、こう先に告知することで、ノルマになって、書き忘れを防げますね、去年のことでも書き残した情報たくさんあるもの、もっとシビアに全部出していかなくては!

***

 とまぁ、昨年よりさらにターボがかかっている私たちですが、舞台からは心が離れてない? と心配されたりもします。

 少しそういうときもありましたが、12月に国立演芸場にてご一緒させて頂いた柳家喬太郎師匠により、「わーーー!! もっと面白いことしたいー!!」という気持ちを取り戻させて頂きました。

 というわけで、最近は「月に2回は喬太郎」という目標までできました。やっぱり、笑うって凄いよ!

 私たちが取材を受けるとき、

  「脱原発芸人なの?」
 
  「これからどうしたいの?」

  「活動家なの?」

  「脱原発はアピールしないの?」

  「人生が激変した?」

 などなどよく聞かれます。

 全部、とんちんかんだね☆

 私たちは、どちらかといえば、原発はNOだけれど、脱原発をアピールするのではなく、「それぞれが知って考えて動こうぜ!」ということのみを伝えていきたいのです。

 活動家なんて、とんでもないし、なんていうか、クラスの中にいじめがあったのに、それに全然気付いてなかったよ、ごめんね!! という気持ちに原発事故後なっているだけなのです。知っちゃったからには、何とかしたいな、知らんぷりの共犯者にはなれないよ、という感じ。

 事故後の福島の実情を知れば知るほど、「別に正義は勝たないし、弱者は虐げられていく一方だのう…」と遠い目になります。が、それを知っていながら、「ま、いっか☆」と忘れるタイプではないので、しつこく動いているだけです。

 そして、人生は激変したでしょ? とよく聞かれるけど、んーまぁ実は全くそう感じないんだよね。

 もともと芸人になったきっかけは阪神大震災のときの避難所の慰問を見て、というのだし、そして芸人になってからの喜味こいし先生の言葉「芸人は国のためではなくお客さまのために喋りや!」というのも叩き込まれているので、激変というより原点に戻るという感じです。

 ケンパルといっつも一緒、という生活自体なんにも変わっていないし。

 でも、以前は2人で遊ぶ時間も多かったけど、今は、全く遊んでいないね! それだけは変わったこと。以前は怠けてたな、もっと社会のこといろんなこと勉強してりゃよかった、とひたすら反省しています。

 「いつまでこういうことやるの?」も、よく聞かれるけど、さぁ?

 何か特別なことしてるわけではなく、やりたいことをやっている、というのはいつもどおりだし。新しくできた福島の仲良したちが、なんとかなったらいいな、それまでは全力だな、とは思っています。でも、福島だけでなく、薬害や公害や冤罪や拉致や押し紙や偏向報道やいろいろ、弱者が虐げられる「クラスの中のいじめ」があることを知ってしまったからな!

 全部何とかしたいけど、私が生きてるうちには時間足りないね、でも時間が足りないからこそ、躊躇したり遠慮したりすることが全く無くなったね!

 あ、いつのまにか、脱・躊躇、脱・遠慮してたな☆ というわけで、今年も「脱ってみる?」ウィークリー&デイリーをよろしくお願いいたします!! 

【今週の針金】
 東京電力の定例会見ではおなじみ広報の栗田氏(通称デニーロ)。フリーの記者さまがたから「記者会見の通知を大手メディア以外にも知らせてほしい」という要望に「ご意見として承りますが、現状のものをさしていただきたいと思っております」。トホホ!

 

  

※コメントは承認制です。
第38回 「脱ってみる?」リニューアルお知らせの件。」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    ということで、気分も一新、の「脱ってみる?」、
    お久しぶりの更新でした!
    もちろんその間も、これまで以上に走り回っていた様子のマコさん&ケンさん。
    ウィークリー&デイリー、あわせてチェックしてみてくださいね。

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おしどり

おしどり:マコとケンの夫婦コンビ。横山ホットブラザーズ、横山マコトの弟子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2003年結成、芸歴は2005年から。ケンは大阪生まれ、パントマイムや針金やテルミンをあやつる。パントマイムダンサーとしてヨーロッパの劇場をまわる。マコと出会い、ぞっこんになり、芸人に。マコは神戸生まれ、鳥取大学医学部生命科学科を中退し、東西屋ちんどん通信社に入門。アコーディオン流しを経て芸人に。ブログ:http://oshidori.laff.jp/ twitter:マコ:@makomelo ケン:@oshidori_ken その他、news logでもコラムを連載中。

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