下北半島プロジェクト

先々週、〈東アジアで「青森」を考えてきます!〉と旅に出たA子ちゃん。10日間という短期間ながら、たくさんのものを見て、聞いて、いろんなことを考える時間になったようです。というわけで、まずは「帰ってきました」のご報告。

 日本、韓国、台湾、中国を巡る10日間の旅、「第85回ピースボート日韓クルーズ PEACE&GREEN BOAT2013」から帰ってきました! 今回のクルーズは、ピースボートと韓国のNGO環境財団の共催で、乗船客は日韓あわせて1000人。過去最多の人数とのことでした。船内には日本語・韓国語・英語が飛び交い、海外旅行が初めての私にはとても刺激的。国も世代も超えた交流は、10日間の旅を充実したものにしてくれました。

釜山港にて。今回のクルーズで乗った「オーシャンドリーム号」

 船内では平和、環境、原発などに関するイベントがたくさん開かれ、寄港地では歴史を学ぶツアーに参加したり、ルームメイトと散策したりを楽しみました。連日、濃厚なテーマを学ぶなかで、これまで自分は「逆の目線から見る」ことをあまりしてなかったなぁと気づかされました。
 最初の寄港地、釜山(韓国)で足を運んだ「釜山近代歴史館」では、ボランティアガイドの男性が「日本人の若者はほとんどここに来ない」と悲しそうに話していました。館内には、釜山が開港した歴史、日本の植民地支配に抵抗した記録に関する資料がたくさん。「日本によって無理やり開港させられた」「近代化は果たしたが、釜山の伝統的な文化が失われた」「水道などのインフラは整備されたが、韓国人ではなく日本人のためのものだった」等々の説明書きがされていました。
 何かに似ている……あ、青森だ。と思いました。
 愚安亭遊佐さんと鎌仲ひとみさんの対談にあるように、1981年、青森県・下北半島にあるむつ市には原子力船「むつ」の新母港建設計画が持ち上がりました。地元の抵抗があったものの、結局、母港は建設されて、現在は使用済み核燃料中間貯蔵施設の荷揚げ港になっています。港を作ったことで、下北半島は少なからず得られたものもあったかもしれません。でも失うものは大きかった。
 釜山と下北半島、ぜんぜん違うようで、ちょっと似たところがあるのかも。そんなことを感じながら展示物を眺めました。ボランティアガイドの男性は「人間は、時に悪いことをする場合がある。その前提で歴史を見直してほしい」と言っていました。その一言は、今回のクルーズの要所要所で思い出される言葉でした。

 次回より、何回かに分けてクルーズレポをこのページで書いていきます!(A子)

(つづく)

釜山の国際市場の様子。おいしいものの屋台がいっぱい。

 

  

※コメントは承認制です。
第32回「日韓クルーズ PEACE&GREEN BOAT2013」に行ってきました!」 に1件のコメント

  1. magazine9 より:

    ということで、まずはA子ちゃん、お帰りなさい! 次回からは、各寄港地での体験や出会い、そして船内での様子についても報告してくれる予定です。お楽しみに。

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