戻る<<

松崎菊也の笑うニュース・クイズ:バックナンバーへ

松崎菊也の笑うニュース・クイズ:2

070530up

金子委員長は、講演会で語るよ

まつざき・きくや 戯作者 1953年、大分県別府市生まれ。劇団民芸の演出家を経て、88年、社会風刺コントグループ「ザ・ニュースペーパー」に参加。99年独立。現在、風刺コントの台本を書きつつ政治風刺ライブを展開中。TBSラジオ荒川強啓デイキャッチ・毎週月曜日の名物コーナー「あの人の独り言」で、権力者になりすます爆笑一人芝居を生放送中。『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでコラムを執筆。著書に『一瞬の沈黙』『巷は勘違いに満ちている』『男が捨てられた夜』(いずれも三五館)、『コメディアン』(実業之日本社)、『松崎菊也のひとり天誅!』(毎日新聞社)など。

 国会議員は、週末ともなると地元に張り付く。さまざまな集会に出まくって、支持者の前で政局に踏み込んだ発言をする。国会や党の要職につく者ならば、地元での発言も全国紙に載る。載ることをふまえてわざと地元で大言を吐くやつも多いのだ。ちなみに、この発言は週明けに政治的な大事件が起こる前の話である。

 金子衆議院予算委員長が地元の岐阜に帰って、先週末、松岡議員について発言した。さて、何と言ったか? 次のうちの1つが正解。あとはわたくしの妄想である。

−質問−
金子衆議院予算委員長は、
地元講演会で何と発言したか?

 あくまでこれは先週末の段階。地元に帰った気安さから、政治家は支持者にリップサービスをする。会の雰囲気に合わせようとしてか、かなりきわどい発言も多い。

 金子委員長は自分が委員長を務めている予算委員会の最中に、議場にいる委員たちの似顔絵を描いているところをテレビにすっぱ抜かれたお人である。3のようなことを、後援会の席でぶつほどの大物ではない。わが失態を即座にネタにしてアドバルーンを上げるような曲者とも思えぬ。

 2のようなこと。つまり「予算委員会だぞ。国の金の流れを審議しろ。個人はいい!」てなことをわめく議員は与党に多いが、とんだ勘違いである。議員にからむ金は献金以外はすべて公金である。その公金の一部を架空申告したのではないかと疑われ、一方では談合で告発された関連団体から管轄大臣の身でありながら献金を受けていた。両方とも疑わしいのだ。さすがに公金にまつわる審議をする予算委員長が公私に分別のない発言をした形跡は無い。

 そのかわり支持者に対しては、なるべく「そうだそうだ!」と拍手をもらえるような美しいことを並べる。もしくは、そういう動きや情報を独自につかんで大物ぶってアドバルーンを上げる。正解は1(26日、地元岐阜の自民党総務会において発言。毎日新聞ほか)

 予算委員長という立場上、中立でなくてはならないので大臣の出処進退にまで踏み込んだ発言は問題があろう。一見予算委員長としての正義を語ったふうに見えるが、なんのことはない。あきらかに参議院選挙対策に踏み込んだ発言。「便乗してええかっこするんじゃなか、この落書き委員長が!」と、今やもの言わぬ松岡もあの世で歯軋りしているのではないか。

ご意見フォームへ

ご意見募集

マガジン9条