今週の「マガジン9」

 ニュースによると、21日、新しい安全保障法制についての自民、公明の両党協議が事実上決着したようです。5月の連休後には、国会に関連法案が次々と提出される見込みとも報じられています。また今回新設される、戦争中の多国籍軍を自衛隊が後方支援するための法律は、「国際平和支援法」と名付けられるのだそう。なぜここで「平和」という言葉をわざわざ使うのか。「正義」や「平和」の名の下に国民を欺きつつ、戦争に参加できる準備を着々と進めているようで、この名前には憤りを感じます。

 与党が多数を占める今の国会において、連立を組む公明党がその歯止めを「国会」に求めたところで、そんなものはほとんど意味をなさないことは、今や誰もが知っていることです。確かに国会は国民の代表機関ですが、私たちの民意は、そこにはありません。

 例えば、先日新聞各紙で行われた辺野古基地建設についての是非を問う世論調査。沖縄では80%以上が工事の中止を求め、本土においても反対する割合が上回るという結果が出ていました。
 結構はっきりとした数字です。国会はこの世論をどのように吸い上げるつもりなのか…。しかし今のところは期待が持てません。

 さて、このようなニュースばかり目にしていると主権者であるはずの自分の無力感にさいなまれるばかりで、選挙に行ったところで仕方がないと考えるようになるのも当然のことかもしれません。このところの地方統一選挙の投票率の低さも、無関心というよりは、諦めや嫌気がさしているという状況にも思えます。

 かくいう私もその一人です。引っ越して来て初めての地元の選挙で、候補者もよくわからないし、正直投げやりになりそうでした。そんな時役に立ったのは「選挙公報」でした。基本情報はすべてここに書かれています。地味ですがすみずみまで読んでみるとなかなか面白い。ツッコミどころも満載ですし、自分はどういう人を選びたいか、をまず決めてから公報をながめていくと、「この人いいかも」という人が見つかります。私の場合は、まず「女性」であること。当然与党党員ではないこと。できれば大きな政党には属していないこと。これだけで大分絞れます。あとは、気になる人の名前をインターネットで検索してホームページやツイッター、フェイスブックなどで発言や活動をチェック。それでだいたいの候補者の考えはわかります。さらに街頭演説の予定なども書いてあれば、地元ですから出かけていって、生声を聞くのもいいでしょう。

 世論を無視したこの国の政治家たちへのブレーキは、やはり私たちの足元からしっかりやり直すことでしかないのでは、と思っています。投票したい人が決まると、けっこう明るい気持ちになれるものです。

(水島さつき)

 

  

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