今週の「マガジン9」

 マガ9の人気コンテンツ「日本全国デモ情報」を見ると、ほぼ連日、全国いたるところで「安保反対」や「脱原発」のデモ、抗議行動が行われていることがわかります。つい今の状況が当たり前のように思ってしまうのですが、実はそうではなく、3・11の前には「メーデー」のように組織化されたデモが年に数回行われるかどうか、または雨宮処凛さんら「デモマニア(雨宮さん談)」の人たちが参加するものというイメージしか、一般にはなかったはずです。しかし今は「非暴力行動」が、日常的にある社会に私たちはまぎれもなく生きている…参加するしないは、別としても。そしてこれは、世界的にも類を見ないユニークなこと。先日、映画『首相官邸の前で Tell the Prime Minister 』を初監督した、歴史社会学者の小熊英二さんからお話を伺いましたが、改めてその認識を強めました。

 私自身においても強烈な印象とある種の開放感をもたらした、2011年4月10日に行われた「高円寺・原発やめろデモ!!!!!」を皮切りに、抗議を上げる人々の声は、やがて毎週金曜日の官邸前へと移動しました。そして、2012年6月29日、大飯原発の再稼働を強行しようとする野田政権に怒りと悲しみをぶつけるために集まった人たちは、ついに20万人にも膨れ上がり、人々は自然と議事堂前の道路の封鎖を破り、波のように広がっていったのでした。これらの行動によって、野田政権はエネルギー政策の方向転換をし、また結果的に退陣に追い込まれることになりました。(まさかの解散総選挙で、安倍政権を誕生させてしまったのは、想定外ではありましたが。)

 今、継続的に全国あちこちで、安保法制反対のデモが続けられていますが、あの時ほど人が集まっていないんじゃないか、とも言われています。ならば、集まりましょう。ということで呼びかけられているのが、今週8月30日(日)の14時〜国会前での「全員集合!」行動です。集まれない方は、各自の場所でのそれぞれの意思表示がつながれば、また素晴らしいと思います。

 日本には、こんなにもオリジナリティー溢れ、ピースフルでそして力強い、老若男女入り乱れた「世界のどこにも見たことない」非暴力行動がある。これこそが「憲法9条を生きる」ことなのかもしれません。投票率が低い、政治への関心が薄い、とばかり言われますが、「日本のデモクラシー」を侮るべからずです。徐々に支持率を落としている、安倍政権退陣への、これが大きな一歩になることを信じて。今度の日曜日の午後2時に、集まりましょう!

(水島さつき)

 

  

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vol.515
世界に類を見ないユニークな非暴力行動にご参加を
」 に1件のコメント

  1. なると より:

    > (まさかの解散総選挙で、安倍政権を誕生させてしまったのは、想定外ではありましたが。)

    2012年の解散時点で、前回の総選挙から3年以上が経過していました。衆院議員の任期は4年なので、いずれにせよ近いタイミングで選挙はあったでしょう。そして、選挙に勝てるのも首相になれるのも、立候補した政治家だけです。安倍政権の誕生を想定外と呼んでしまうのは、はっきり言って「ぬるい」。

    デモを行うのは大いに結構ですけれど、選挙に勝つための方策を練ることも必要でしょう。

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