今週の「マガジン9」

 22日の早朝に起きた地震は、東京でも強く感じることができました。最近では珍しいほどの、長く続く揺れ。これは、相当大きな地震が関東近辺であったに違いないと、テレビをつけると、震源地福島沖M7.4、 震度5弱、津波警報発令中とのニュースをやっていました。避難を呼びかけるアナウンサーの緊迫した声。やがて福島第二原発の冷却設備が一時停止したという情報も入り、「ひやり」という言葉では言い表せない絶望的な気分になりました。大事にならずに良かったと今心から思いますが、なぜこんな思いを繰り返さなくてはならないのだろうか、と悲しくもなります。

 日本は今、地震の活動期に入っており、東北だけでなく全国いたるところで、大きな被害をもたらす地震が相次いでいます。火山の噴火も続いています。この事象については、専門家が警告を出すまでもなく、誰も疑う余地のないことです。そのため、最大限のリスクを回避する方法がとられています。今朝のちょっと大げさではと思われるほどの「つなみ! すぐにげて!」のテロップや、アナウンサーの切羽つまった声も、その表れでしょう。命を守るためには、用心するにこしたことがないからです。しかしなぜか原発については、あまりにも緩く考えられており、まったくもって納得いきません。「まあ、いいじゃない」とは、決して言えないのです。
 なぜか。それは、原発で一度過酷事故が起きたら、取り返しがつかないほど、甚大な被害をもたらし、修復をすることも不可能だということを、身をもって知ってしまったからです。
 3・11の時、津波によって石油コンビナートや火力発電所も壊滅的な被害を受けました。しかし1ヶ月もすれば、営業再開。先日起こった博多駅前の大陥没事故も、1週間で元どおりになって、何事もなかったように車が通過していました。それに比べて、東京電力福島第一原発はどうでしょうか。
 大きな地震はまた必ず起きます。プレートに押されているゆらゆらの日本列島。その上に立ち並ぶ原発は、今1つずつ再稼働の準備を進めている。なんだかロシアンルーレットを無理やりやらされている気分です。
 再稼働を進める現政権も連合も、この1点だけでも、どうしても支持することはできないと、思い知らされた地震でした。

(水島さつき)

 

  

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