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週間つぶやき日記

第三十二回

090128up

1月23日(金)はれ

「ブレてない」「ブレていない」と ブレ続け

 自民党内で揉めていた“消費税問題”が、やっと決着したようです。しかし、これが決着といえるでしょうか。
 新聞やテレビでは「玉虫色の落としどころ」などと報じています。玉虫色といえば、どちらとも取れる微妙な表現、ということでしょうが、今回の結末はやはり「消費税引き上げは2011年度にはできません」という、麻生首相の全面屈服としか受け取れません。つまり、またも麻生首相はブレたのです。

 「11年までに、消費税引き上げのための法整備を行う」という文面で、賛成派と反対派は妥協したのですが、それは「11年度に消費税を引き上げる」と繰り返していた麻生首相の言葉とは、どう考えても一致しません。
 引き上げること(実行)と、引き上げるための法整備(準備)との間には、そうとうな時間差と温度差があります。その差をどう埋めていくかにまったく触れていないからです。やはり、適当に文面を作って、何とか首相の体面を保とうとしただけです。
 これで「オレの言うとおりになった。オレが一貫して主張していたことは、何もブレていないだろう」と胸を張るなんてことは、普通の人にはとても恥ずかしくてできないはずですが、この人はそういう普通の感覚は持ち合わせていないようです。
 (それにしても、公の場所で“オレ”を連発する首相なんて、これまで見たことがない。庶民ぶっているつもりらしいが、極めて醜い言葉遣いです)。

 ま、私たち庶民とすれば、消費税引き上げなんてして欲しくないに決まっていますが、これでまたもや赤字国債の発行残高が増えていくのは間違いありません。
 オバマ大統領の就任に対する意見を聞かれた記者会見で、「世界1位の経済大国のアメリカと2位の日本が手を結んで」などと、麻生首相はボソボソと発言していましたが、経済大不況の意味を、まるで理解していないようです。世界1位と2位の赤字大国の間違いじゃないですか。
 経済再建を庶民増税で賄おうとすることの危うさに、なぜ気づかないのでしょう。国のお金の使い道をもっと情報公開して、その必要順位を明らかにすることを、なぜ嫌がるのでしょう。増税論議などは、その後に行うのが筋です。
 そうすれば、“高級官僚の天下りやわたり”など、必要順位の最下位にくることは自明です。しかし、麻生首相は、こんな最下位項目に固執して、“わたり”を認める政令を撤回しようとしません。これも「ブレた」と言われたくないための妄執です。

 それにしても「またブレた」と言われたくないだけのために、こんな曖昧な決着でお茶を濁す。造反を匂わせていたグループも、これで矛を収めてしまいました。
 もうダメですね、この党は。

 「自民党よ、お前はすでに死んでいる」(byケンシロー)

1月25日(日)はれ

花訪ね 野鳥を愛でる 日曜日

 新聞の折込みに、市の広報が入っていました。その中に「2月1日より、梅祭り開催」との知らせがありました。私の住んでいる市の市立公園の梅園がそろそろ見ごろを迎えるのでしょう。
 というわけで、まだ梅祭りは始まっていないのですが、散歩がてら公園に出かけてみました。
 金曜日(23日)はまるで春のような陽気だったのに、今日は、ううっ寒いっ! 冬に逆戻りです。
 それでも、公園は梅の香りに誘われてか、けっこうな人出でした。とてもいい匂いがします。梅は桜と違って、とても香りが華やかなのです。

 でも、さすがの寒さ、早とちりして開いてしまった気の早い花もありましたが、全体としては、まだ梅は2〜3分咲きといったところでした。
 では、このいい香りは?
 それは“蝋梅”でした。まるで蝋細工のような黄色の薄い花びら。これがとても麗しく香るのです。たしかに香りは梅に似ています。いや、梅の香よりも濃厚だと言ってもいいでしょう。それで、“蝋梅”という名がついたのでしょうか。この蝋梅が、満開を迎えていたのです。

 かなり広い園内を、ゆったりと散歩しました。開き始めた梅、いまを盛りの蝋梅。水仙も、もう大分咲いていました。
 そして、梅の木の根元に、黄色い小さな花を見つけました。福寿草でした。冬の花(春の到来を告げる花でもあります)の代表格のような福寿草が、花を開き始めていたのです。
 携帯電話で撮った写真ですので、あまり鮮明ではありませんが、せめて雰囲気だけでもお楽しみください。

 梅や蝋梅の花びらが、地面にかなり散っています。おや、もう散り始めたか。
 いや、違うのです。実は、小鳥たちが花の蜜をつつきに来て、その時に花を散らしてしまうのです。よく見ると、たくさんの小鳥たちが枝に止まって花をつついています。
 というわけで、花を訪ねる以外のもうひとつの楽しみは、野鳥たちです。この公園は、多摩川が近いこともあって、とても沢山の種類の野鳥たちがやってきます。
 今日は識別できただけで、ざっと12種類。
 シジュウカラ、オナガ、ヒヨドリ、メジロ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ、コゲラ、ジョウビタキ、モズ、それにどこにでもいるカラスとスズメ…。多分、野鳥に詳しい方なら、もっと多くの種類を見分けることができるでしょう。
 池やせせらぎも整備されているので、運がよければ“水辺の宝石”と呼ばれるカワセミを見つけられることもあります(本日は残念ながらお目にかかれませんでしたが)。この鳥、青い羽がほんとうに綺麗なのです。
 人間がそれなりに共生の道を探れば、自然は必ず応えてくれるのです。

 公園を出て、多摩川の河原を歩きます。川風はとても冷たいのですが、どこかに春の匂いがするような気もしました。
 寒いけれど、陽を浴びて釣り人たちがたくさん、糸を垂れていました。しばらく釣り人の後ろで糸の先を見ていましたが、残念ながら釣果はありませんでした。
 多摩川では、鴨の群れや小鷺、鷺、青鷺、鵜などの大型の鳥もたくさん見ることができます。だから、この辺りの散歩には、双眼鏡が必需品なのです。
 土堤を辿って、家路に着きました。
 体は冷え切ってしまいましたが、内側は少し温まったような気がしました。

 人間と小さな生物はこうして共生できるのに(共生の道を探ることができるのに)、なぜ人間同士は…。

1月27日(火)

自衛隊 派遣の裏の意図は何?

 ソマリア沖に、麻生首相はどうしても自衛隊を派遣するつもりのようです。しかし、これは憲法に抵触するかもしれない重大事項です。それを、閣議決定のみで行おうとする。とても認めるわけにはいきません。
 こう書くと「それじゃあ対案を出せ。何の案も出さずに反対ばかりする。おかしいじゃないか」という批判の矢が、必ず飛んできます。
 自衛隊の“海上警備活動”は、日本近海(領海内)を想定したもので、これを領海外の遠洋に適用するというのは、明らかに法の逸脱です。法がある以上、法の範囲内でことを行うのが当然です。特に武力行使を伴うかもしれない活動については、慎重の上にも慎重を期さなければなりません。
 それを「緊急時だ非常手段だ」などという理由で、閣議決定だけで行うのは、議会無視、それこそ「議会制民主主義」の破壊行為ではありませんか。

 もしどうしてもというのなら、海上保安庁の巡視船の活用なども考えてもいいかもしれません。日本の船団に寄り添う形で巡視船が航行するという方法です。
 海上保安庁は、巡視船「しきしま」のような、ヘリコプターさえ搭載できる大型巡視船を多数保有しています。それら巡視船の通常任務としての海上警備ならば、憲法との抵触疑義は起きないでしょう。

 現在ソマリア沖に出没している“海賊船”は、ほとんどが小型漁船に、高速用の船外機を付けるなどの改造を施した船だといわれています。つまり、大型の警備艇に少し接触しただけで沈没してしまいそうな、ボロ舟の類いなのだそうです。
 ならば、それらが近づいてきたら、巡視船が輸送船との間に入り込むだけで、海賊船はなすすべなく退散してしまうでしょう。
 事実、インドの戦艦は、ほんの数発の銃撃で海賊船を沈めたといいます。
 そういう場面へ、なぜ無理矢理に憲法論議も曖昧にしたまま、自衛隊を“派兵”しようというのでしょうか。代替案を十分に検討もせずに、どうしても自衛隊にこだわる。
 隠された意図を感じざるを得ないのです。

 海賊船の実態とは、ほんとうはどういうものなのか。わかっている限りの情報を明らかにしてから、どう対処すべきかを論じるのが筋です。
 そこを捨象して、まず「自衛隊派遣ありき」の麻生首相のやり方には、やはり反対せざるを得ません。

(鈴木 耕)
目覚めたら、戦争。

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