「希望のエリア」のあきらめない人々

2011年3月11日に起きた東日本大震災の影響で、福島第一原子力発電所事故が発生。事故後、国会前や首相官邸前には、多くの人たちが集まり、抗議の声をあげました。一人ひとりが自分の意思で集まり、それぞれ独自のスタイルで行う抗議行動が生まれていったのです。事故から数年が経ったいまも、毎週金曜日には脱原発を求める人々が全国各地で集まっています。国会前「希望のエリア」も、そうした「金曜行動」のひとつ。「希望のエリア」のスタッフが、そこに集まる人々の思いを連載で伝えます。

第24回

年末の国会前行動を行って

 2016年最後の金曜日、12月30日に「希望のエリア」が行われている場所を借りて、私が立案した国会前行動を開催致しました。

 なぜ、このようなことを思い立ったのか。それには3つの動機があります。

 1つ目は、たとえ年末であっても、原発のこと、今の政治の問題を忘れてはいない。その想いを国会前で表明して一人でも多くの方々に発信したいと思いました。2つ目は、毎週金曜日に「希望のエリア」や国会周辺行動に来たり、動画視聴で参加したりしている方々の中にも年末は忙しくて足を運べない方が多いと思いますが、自宅や実家などの場所で短時間でもよいので、自分なりに行動し想いを馳せていただけたら、離れていても想いを共有できると考えました。3つ目は、2016年最後の金曜日だから、行動して年を締め括りたい、という個人的願望です。

 30日当日は、15時半から17時までの90分間行いましたが、一人で進行することは初体験なので、思わず緊張してしまいました。また、どのように行うか大雑把にしか考えていなかったので、具体的なこと、冒頭はどのように始めるか、どんなことを話すか、スピーチの順序・時間配分等々は、行き当たりばったりでした。事前準備が不足していたなと痛感致します。

 それでも30名程の方々に参加していただき、「希望のエリア」からも松平さんのトランペット演奏、明日香さんと二朗さんの告知にコール等、多くの方が場を活気付けてくれました。

 金曜行動を主催したことで、個人的に良かったと感じることが2つあります。

 まず、「希望のエリア」の場所に初めて来てくれた方がいました。普段は官邸前等、別の行動に参加している方が「希望のエリア」を知ることで、新たな出会い・交流が生まれるきっかけになるでしょう。活動と参加者の幅が拡がり、多岐に及ぶ方が訪れることになればと思います。

 次に、主催者の立場を経験できたこと。「希望のエリア」では一参加者ですが、主催者となれば全体を見渡す視野の広さ、落ち着いて行動する冷静さ、参加者へのサポート等々が必要とされることを再確認致しました。そして、毎週金曜日に「希望のエリア」を開催していることに驚嘆すると同時に、敬意の念を改めて覚えました。

 私がとった行動は小さなものです。しかし、小規模である分、人と接することが密となり、自身も気付くこと・学べることが多く、一つの収穫になりました。私の行動を受けて、新たな動きが芽生えれば、一人でもできることから始めようという方が増えてくだされば幸いです。

 最後にご参加していただいた皆様、セッティング等の準備をしていただいた皆様、告知していただいた皆様にこの場をお借りして、再度感謝申し上げます。ありがとうございました。

(国会前「希望のエリア」参加者/大学生・佐藤光祈)

 

 

  

※コメントは承認制です。
第24回 年末の国会前行動を行って」 に2件のコメント

  1. magazine9 より:

    今回は、第19回のコラムも書いてくれた大学生の佐藤光祈さんです。前回は「希望のエリア」にほぼ毎週参加して1年になる、というお話でしたが、今回は、なんと自分で金曜行動を主催をされたとのこと! 若い人がこうやって自分で表現の場をつくっていく姿が、なんとも頼もしく感じます。

  2. 原伸雄 より:

    偉いもんです!尊敬します!
    人々の生活と平和を考える運動は絶対に負けない!
    何故なら「勝つまで闘い続ける!」から・・・

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マガジン9

希望のエリア:原発に反対する官邸前抗議行動として、2012年3月から毎週金曜夜にスタート。当初は、子ども連れでも参加しやすいよう「ファミリーエリア」として国会前の歩道横に設けられたスペースだったが、その後「希望のエリア」と名称を変え、幅広い世代が参加する独自の抗議エリアとして、毎週金曜の夜に活動を続けている。

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