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2010-09-01up

松本哉ののびのび大作戦

第30回:なんとかフェス2010 大成功編

 いやいや~、今年もまたとんでもないフェス「なんとかフェス2010」が見事に開催されてしまった! しかも、今年はなんだか知らないが規模もでかくなっており、300人近くの有象無象たちが集まって大騒動の祭りがおこなわれてしまった!
 今年の開催は8月の20~22日。今年は、ステージも2つに拡大し、出演者も倍以上に膨れ上がり、本当に大パニックになるんじゃないかと予測されていた! 去年のようにライブやDJなども行われたりと音楽イベントの色も強いんだが、『国道20号線』など、映画の上映もたくさんあったり、トークショーや、パフォーマンスなど、かなりいろんなジャンルの出演があって、とんでもないことになっていた。ライブなどの様子は、なんとかフェスのブログや、youtubeで検索するなど、いろいろ探してみてくれ。とりあえず、大変なことになっているので!!

夜はとりあえず焚き火。ちなみに、後方に見えるバーらしきものは、カウンターごと出張してきた新宿の『Cafe★Lavanderia 』

【食べ物も充実!】

 山の中でやるイベントなので、よく「なんにもないんでしょ?」と聞かれる。どうやら、何もない山中で、乾パンでも食いながらひもじい思いをするとでも思っているに違いない! いやいや、そんなことはない! キャンプ慣れした人は勝手に自炊もするだろうが、まさにいろんな連中が集まってくるので、なかなかそんなわけにも行かない。
 っていうことで、食べ物を作りまくる“フード班”も、毎日3食カンパ制で食べ物が出して大活躍したり、他にも参加者がいろんな出張カフェやバーを出したりしていた。
 食べ物のバランスもよく、ビーガンフードの“フード班”から、ひたすら肉の塊を焼いて売りまくるという、悪の権化のような“METALバーベキュー”という悪そうな出店まで、いろいろあった。

一夜にしてできた廃材建造物の上でくつろぐ人々

【前代未聞! ヤバスタ音頭】

 今回異彩を放っていたもののひとつに「ヤバスタ音頭」がある。「ヤバスタ(YA BASTA!)」とは、スペイン語で「もうたくさんだ!」の意味で、メキシコのチアパス州で蜂起して自治エリアを作ってしまっている民衆のスローガンだ。サパティスタって連中だが、それを支援しようという人らが、なんと盆踊りの音頭を作ってしまった! で、毎夕、イベントが始まるオープニングあたりに、櫓、ちょうちん、紅白幕、の超日本的な盆踊りスタイルで音頭が流され、ヒマ人たちが踊っていた! う~ん、これは完全に謎過ぎる! ぜひ、メキシコのサパティスタの連中にその映像を見てもらいたいもんだ!
 ムリにメキシコ風にやって不自然なことになるより、やたらと日本的にやってメキシコ人もびっくりのエールを送ったほうが、なんだかマヌケでいいね!!

スタッフは意外に大わらわで、夜は諸々の作戦会議。金持ち連中によるボッタクリ夏フェスに対抗するには、やはり自力でやらないといけない

【全国各地の大マヌケ衆が集結!】

 しかも、今回すごいのは日本各地からいろんな奴らが集まってきたこと。去年のなんとかフェスの噂を聞きつけた連中とか、日ごろの地方のイベントに遊びに行って知り合った連中が遊びに来たり、去年の出演者がまた新たな奴らを連れてきたり…。と思ったら、地元・長野市のライブハウスの人らも遊びに来たり…。沖縄から青森まで(札幌の連中が日程の都合で来れなくなったのが惜しい!)、各地から集まりまくってしまった!
 まさに、各地で勝手なことをやらかして、自分らの居場所を切り開いてる奴らのサミットのような一面もあったのがすごかった! 例えば、広島に行くときにいつもお世話になる連中が食べ物を作って売ってたり、いつも仙台にいる連中がその辺で寝てたり、京都あたりでデモなんかをやらかしてる連中が廃材で謎の建造物を作ってたり、高円寺の連中もその辺で飲んで騒いでたり、あるいは、偶然遊びに来てみたら自分の街の連中が何かやってるのに出くわしたり…。各地の連中がそれぞれなんかやってて、さらに交流も進んでいくという、知らない間になかなか重要な展開になっていた! 

昼間にのんびりする人々。なんと、長野人の協力でモンゴルのゲルまで建った!

 いや~、今年の「なんとかフェス2010」は、去年に比べてずいぶんと進化して、すごい充実したイベントだった。祭りが終わり、みんながまた各地に散っていき、こちらも高円寺での店番の日々に戻っても、次々といろんな人から、「いや、今年は楽しかったねー」などといいにやってくる人が続出するぐらいだった。 いや、めでたしめでたし。

山のボス、ジローさんの芸も披露

 …ところが! そう簡単に祭りができるわけではない!!! そのバカ騒ぎの裏では、恐るべき死闘があったのだ! では次回、「なんとかフェス死闘編」を待て!!

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今年もやっぱりすごかった!
手作り感満載の「なんとかフェス2010」
全国からいろんな仲間が長野に集結。
でまた、地方に散っていって、それぞれの場所で、
それぞれが活動しているというのは、何だかいい話です。
しかし次回は、またまたすごい裏話があります。
乞うご期待。

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松本哉さんプロフィール

まつもと・はじめ「素人の乱」5号店店主。1974年東京生まれ。1994年に法政大学入学後、「法政の貧乏くささを守る会」を結成し、学費値上げやキャンパス再開発への反対運動として、キャンパスの一角にコタツを出しての「鍋集会」などのパフォーマンスを展開。2005年、東京・高円寺にリサイクルショップ「素人の乱」をオープン。「おれの自転車を返せデモ」「PSE法反対デモ」「家賃をタダにしろデモ」などの運動を展開してきた。2007年には杉並区議選に出馬した。著書に『貧乏人の逆襲!タダで生きる方法』(筑摩書房)、『貧乏人大反乱』(アスペクト)、編著に『素人の乱』(河出書房新社)。「素人の乱」公式ホームページ

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