マガ9備忘録

戦後70年の沖縄慰霊の日を迎えた23日、ロックバンド「モンゴル800」が新曲 『himeyuri ~ひめゆりの詩~』を発表した。この日正午にYouYubeに先行配信されたのだ。8月19日発売予定のアルバム「People People」に収録されるという。

モンゴル800は、高校の同級生である上江洌(うえず)清作さん、儀間崇さん、高里悟さんが1998年に結成した。『DON’T WORRY BE HAPPY』、『小さな恋のうた』、『あなたに』などのヒット曲がある。

デビュー以来故郷沖縄を拠点としており、『琉球愛歌』、『矛盾の上に咲く花』などは「琉球愛」をテーマにした曲だ。彼らのセカンドアルバム「MESSAGE」のジャケットには古い沖縄の写真が使われ、『神様』では沖縄戦から貧しかった戦後を写したフィルムがプロモーションビデオ(PV)だった。

いささか旧聞に属するが、テレビ朝日「ミュージック・ステーション」に出演した際、清作さんのベースストラップにあった「NOオスプレイ」の文字が話題になったことも忘れられない。

この『himeyuri ~ひめゆりの詩~』のPVでは、糸満市の平和祈念公園にある平和の礎(いしじ)に刻まれた人々の名前がたくさん映される。マスではない、一人ひとり名前を持った彼らはどのようにして悲惨な沖縄戦で命を落としたのだろう。そうしたことを考えながら曲を聴く。力強いリズムに美しいメロディーを、独特のボーカルに乗せた「モンパチ節」はこの曲でも健在だ。

演奏が終わった後、平和の礎の刻銘者数が241,336人(2015年6月現在)であることが示され、「沖縄戦などで亡くなられた国内外、すべての人々へ哀悼の意を表し、そして平和を願い、今を生きる者たちが同じ過ちを二度と繰り返さないために。たった70年前にこの島で起こった出来事を絶対に忘れないために。この詩を捧ぐ。」と続く。

平和と呼ぶにはまだ遠く、歴史にするにはまだ早い。

詞としても繰り返されるフレーズが、心に刺さり、沁みた。(中津十三)

 

  

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