マガ9備忘録

自民党の古屋圭司選挙対策委員長が自身のフェイスブックに、野党系候補の公約を「市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術」と書き込み、波紋が広がっている。

今月23日に投開票される沖縄県うるま市長選は、無所属新人で前県議の山内末子氏(社民、共産、社大、自由、民進推薦)と、現職で3期目を目指す島袋俊夫氏(自民、公明推薦)の一騎打ち。古屋氏は、島袋氏応援のため告示日に沖縄を訪問していた。

こうした発言は続くものだ。11日には鶴保庸介沖縄・北方相が記者会見の席上、沖縄県の対応を「ポジショントーク(その時々で自身に都合のいい発言)するような向きも、ないではないかもしれない。(反対の声を上げて)気持ちよかったね、と終わったんじゃ意味もない」と語った。

鶴保氏は昨年9月、県と国の訴訟について「早く片付けてほしいということに尽きる」と発言している。機動隊員の「土人」発言を「差別と断じることは到底できない」とした件も含めて、よくこれで「沖縄担当大臣」などと名乗れるものだ。

高江や辺野古での強権的な対応と同時に、罵倒、暴言、揶揄、冷笑などあらゆる手段で常に沖縄を蔑視することで、人々に「諦めろ、国に従え、抵抗しても無駄だ」と無力感を植え付けようとしている自民党・安倍内閣の動きの一環ではないだろうか。

これらに先立つ8日、自民党沖縄県連は県連大会で辺野古移設を容認することを決めた。これまで「辺野古を含むあらゆる可能性を追求する」としていた方針を変え、「辺野古が唯一」の日米政府と歩調を合わせたのだ。

この大会で照屋守之会長は「国は親であり県は子どもだ。子どもが一方的に親、国を批判して対決しており、信頼関係は失われた」と挨拶した。しかし、この認識はいかがなものか。国と県の関係を「上下」に見ているばかりか、地方分権に逆行するものだ。

2013年11月、辺野古移設を沖縄選出自民党国会議員が容認したとして記者会見する石破茂幹事長(当時)の横で、県選出議員の神妙な面持ちは今でも忘れられない。これは当時「平成の沖縄処分」「さらし首」と言われたものだ。

先述の県連大会には、そのような苦渋はまったく感じられないどころか、追従しすすんで一体化しようという姿勢が目立った。

沖縄への蔑視が習い性になっている自民党・安倍内閣と、それにすり寄る県連。これでは蔑視の姿勢は、いつまでたってもやまないはずだ。

(中津十三)

 

  

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