マガ9備忘録

10月25日の東京は気持ちのよい秋晴れだった。代々木公園ケヤキ並木に続々と人が集まってくる。SASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)主催の「特定秘密保護法に反対する学生デモFINAL@SHIBUYA」に参加するためだ。

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午後4時、出発。老若男女さまざまな人がいるが、いつものデモに比べて圧倒的に若者の数が多い。ラップのテンポに乗った小気味いいコールが渋谷の街中に響き渡る。

特定秘密保護法反対
I say 憲法 You say 守れ 憲法「守れ」 憲法「守れ」
言うこと聞かせる番だ俺たちが
民主主義ってなんだ?「なんだ?」
Get up Stand up Stand up for Your Right
Get up Stand up Don’t Give up the Fight
Tell me what democracy looks like
“This is what democracy looks like”

SASPLの新しさは、そのスタイリッシュさだ。アップテンポのコール、センスのいい告知、ロゴタイプや文字の配置にこだわったチラシやビラ。

かつて学生運動華やかなりし頃は、社会運動の中心は労働者とともに学生だった。しかし70年安保後、学生運動は解体し、政治に近寄らないことが学生にとって当たり前の時期が続く。私もかつてはそうした学生の一人だった。

40年以上堆積した、社会運動へのそうした見方を覆すような力を、SASPLのデモには感じる。それでも世間には「諦め」と「見ないふり」が蔓延している。そんな空気を吹き飛ばすように、トラックの荷台に乗ったメンバーがコールの合間にスピーチを行なう。

「デモなんてしなくたって明日は同じようにやってきます。そして社会運動から距離を置けば、この国で生きることはたやすくなります。しかしそんな風潮が結果として何を引き起こしたか。ろくな審議もされない、穴だらけの法律を成立させることになったんです。みなさんこのままでいいんですか?」

「想像してみてください。30年後、僕たちの子どもたちが、100年間戦争をしなかったという祝いの鐘をこの地で響かせているというビジョンを! 国民のための国家として確かに一歩を歩みだした今日この瞬間が、30年後の未来を導くことを信じます」 

若い彼らの主張がまっすぐ届き、私は心うたれた。

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12月10日に特定秘密保護法は施行される。この日にもSASPLは反対するデモを呼びかけている。彼らは言う。「施行の際に国民から大規模の反対運動があったとなれば、それは施行後の法の濫用に対するブレーキになり得ます」

そして、こう続けられる。「法の施行は免れないからと言って必要以上に悲観することもなく、かといって過剰に楽観するのでもなく、私たちは冷静に、そして着実に一歩を踏み出していきましょう」

そうだ、冷静に、着実にいこう。あのラップのコールを口ずさみながら。(中津十三)

※メンバーのスピーチは28日付「しんぶん赤旗」記事から引用させていただきました。

 

  

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