マガ9備忘録

大阪ではいわゆる「都構想」住民投票、沖縄では「辺野古新基地建設反対」県民大会のあった17日、世界的に有名な東京・秋葉原ではヘイトデモに対する大規模なカウンター行動が行なわれた。

「マガ9備忘録」第1回が、2013年9月8日に新大久保界隈でのヘイトデモへのカウンター・ルポだった。筆者はそれから、場所と時間が合えばなるべく出向くようにしており、この日も参加した。

不法滞在のタイ人女性を母親に持つ15歳の少年が、強制退去の撤回を求める訴訟を起こしたニュースがあったが、今回のヘイトデモはこの少年をターゲットに排外主義を煽り立てる目的を掲げていた。これだけでも許されることではない。

出発場所とされた佐久間公園の周辺は警察がものものしい警戒線を引き、その周りをカウンターが取り囲む。見渡す限りの人が「ヘイトデモ中止!」「帰れ! 帰れ!」を繰り返す。白人など外国人のカウンターも目立った。

相変わらず警察の警備はレイシストを守るかのよう。法務省が作った「ヘイトスピーチ、許さない。」という黄色いチラシをプラカードにしている男性がいたが、同じ行政機関である警察がそれを許しているのが現状なのだ。

日曜日の秋葉原・中央通りは歩行者天国で、若者や家族連れなども楽しむ場であるにもかかわらず、差別煽動を行なうおぞましいデモがそこをかすめるように通過する。「外国人犯罪撲滅」という横断幕を持ち、これが建前だったはずだが、いつもの通りただのヘイトスピーチを吐き散らしていた。

このデモの解散地点は練成公園だったのだが、そこに隣接するのは「3331 Arts Chiyoda」というアートスペース。いくら政府が「外国人観光客誘致」や「外国への日本の情報発信」を掲げたところで、クールジャパンを標榜する拠点がヘイトデモの解散地点では、世界の笑いものだろう。

今回もカウンターは精力的にヘイトデモを追いかけ、力強く抗議していた。これは「どっちもどっち」で片付けてはならない。なぜならヘイトは、差別を煽動することで社会を崩壊させるからだ。一方、この騒ぎに何事かと出てきた地元住民に、法務省のチラシを渡して丁寧に説明している人もいて、硬軟両方の対応が際立った。

シンタヤベさんのツイートを引用してこの稿を終わらせていただく。

shintayabe

(中津十三)

 

  

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