- 特別企画 -

【スタッフコラム】

福島原発さいたま訴訟報告(10)

福島原発さいたま訴訟を支援する会
北浦恵美

 福島原発さいたま訴訟は、2014年6月の第1回期日から2年9カ月が経ちました。原告は30世帯99名となりました。これまでに14回の口頭弁論期日が行われ、次回3月22日(水)午後3時より、第15回目の期日を迎えます。

 2017年1月11日の第14回期日では、原告代理人弁護団から避難指示区域の内か外によって賠償が大きく分かれる現状、さらに極めて低い賠償基準についての主張が陳述されました。

 低線量被ばくによる健康影響を否定できないというのが科学的知見であること、避難指示区域の線引きはあくまで政策的判断によるもので、避難をするか否かの個々の判断とは全く別の問題であり、避難区域内・外によってきわめて大きな差異を設けている現在の指針による賠償基準にはまったく合理性がないこと、さらに、その賠償基準自体が、交通事故の自賠責を参考としている極めて低い基準であり、「生活基盤そのものの破壊」という本件事故の深刻さを十分に評価をしていない極めて不十分なものであること等を指摘しました。

 日常を突然奪われた被害の賠償額が極めて低額に抑えられていることの不合理。生活の根幹、家、仕事、暮らしそのものを奪われ、困難な避難生活を強いられながら、全てを一から構築しなおすことが、どれほどの精神的な苦痛、困難をもたらし、ダメージを与え続けているか、改めてその被害の深刻さを思います。
 そして、避難指示区域外からの避難は「自主避難」とされ、これまで、住宅支援のみが唯一の「支援策」でした。そして今、この「支援」さえも3月までで、打ち切られようとしています。このように、償うべきことを償わないままとすることにより、避難者はさらに傷つけられています。国や東電が賠償額を抑え込もうとするための仕組みを作り上げてきました。まさに、人権侵害であると思います。

 裁判所には、この人権侵害を許さず司法の責任を果たすことが求められています。

 今後、さいたま地裁では、現地検証を求め、専門家証人、原告本人尋問等の手続きに進んでいくのですが、裁判所の真摯な対応を期待したいと思います。
 そして、先行する全国各地の原発被害者による集団訴訟の初の判決が、3月17日(金)に群馬の前橋地裁で出されます。その後、千葉、「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」(福島原発訴訟)、など各地の判決が続きます。ぜひ、注視してください。

 この間、自主避難者に対する住宅支援の打ち切り問題、福島県からの避難者に対するいわれなき中傷などが、ニュースなどで取り上げられています。
 わたしたちの世界は、こんなにも冷酷で非情なのでしょうか。避難の権利を認めず、帰還を強いる政策が進められています。国が福島の被害をなんとか小さなものにしようとしています。3月17日の前橋地裁で、司法の正義が生きていることが示されることを祈ります。

 さいたま地裁では、まだまだ審尋が続きます。毎回の裁判の傍聴にぜひご参加ください。満席の傍聴席が、原告と弁護団を勇気づけます。
 次回さいたま訴訟の期日は3月22日(水)午後3時からです。


福島原発さいたま訴訟第15回口頭弁論及び
報告集会及び支援する会総会

とき:3月22日(水) 午後3時開廷  さいたま地裁101号法廷

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次回以降の期日
 5月24日(水)午後3時
 7月19日(水)午後3時
公正な判決を求める署名も引き続き集めています!
ぜひご協力ください。
署名はこちらから。
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〈これまでの関連コラム〉
→ 2017/03/15 福島原発さいたま訴訟報告(10)
→ 2016/08/03 福島原発さいたま訴訟報告(9)
→ 2016/04/06 福島原発さいたま訴訟報告(8)
→ 2016/04/06 福島原発さいたま訴訟報告(7)
→ 2016/01/20 福島原発さいたま訴訟報告(6)
→ 2015/11/18 福島原発さいたま訴訟報告(5)
→ 2015/06/24 福島原発さいたま訴訟報告(4)
→ 2015/06/24 福島原発さいたま訴訟報告(3)
→ 2015/04/15 福島原発さいたま訴訟報告(2)
→ 2015/02/11 福島原発さいたま訴訟報告(1)
→ 2014/11/26 福島原発さいたま訴訟に思うこと
→ 2014/05/28 福島原発さいたま訴訟、第1回期日とその支援のこと

 

  

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