マガ9レビュー

ともに松竹伸幸著/平凡社新書

 戦争放棄をうたう憲法9条に対して「敵が攻めてきたら、何もしないで手を上げるのか」という反論がある。私は、こうしたレトリックには「違うだろ」と思う。敵が不当に攻めてきたときは、ホールドアップしなくてはならないなどと憲法には書かれていないし、万が一、日本が他国によって不当に占領されたら、あらゆる手段を使って抵抗するのは当たり前と考えるからだ。
 そうした局面を迎えないためにはどうすればいいのか。それを考え、実践することが『憲法九条の軍事戦略』である。
 9条を改正すべしと主張する人の多くは、上記の理由以外にも、たとえば「同盟国であるアメリカが他国に攻められても黙って見過ごすのか」と問う。私には世界最強の軍事大国に他国の正規軍が宣戦布告するとは到底思えないが、仮にそうした事態が起こった場合、1990年代前半の湾岸戦争時において、国連主導による多国籍軍がクウェートに侵攻したイラク軍を自国内まで撤退させたように、侵略国は国際社会の枠組みの中でそれ相応の懲罰を受けることになるだろう。
 9条は侵略国に対する軍事的行為への足かせにはならない。むしろ相手国へ攻め入る際に邪魔となる。それが集団的自衛権の行使を容認すべしとする論者の本音だ。
 集団的自衛権が行使された歴史を振りかえると、冷戦時代のソ連によるハンガリーやチェコスロバキア、アフガニスタンへの軍事侵攻が挙げられる。ソ連は自らの行動を各国政府から要請を受けての決定として正当化した。こうした論理は米国の対ベトナム戦争でも、中米の小国に対する侵攻でも、大量破壊兵器があるとでっち上げて遂行したイラク戦争でも、使われた。かつてのイギリスのイエメン、フランスのチャドへの介入もしかり。つまり軍事大国が気に入らない国への武力攻撃を仕掛けるために利用されてきたのが集団的自衛権なのである。
 集団的自衛権を行使するためには、相手国への侵攻が可能なだけの軍事力を有していなければならない。いまその議論が活発になっているのは、自衛隊が相応の規模と技術をもつにいたったからだと著者は指摘する。
 武力行使の誘惑を断ち切るためには、日本が国際社会において受け身な姿勢から積極的なそれへと転換することも必要だ。著者は『集団的自衛権の深層』で、非武装・丸腰で当たらなければ解決できない国際紛争の調停という難しい仕事は自衛隊こそ適任だとして、こう述べている。
「憲法九条のもとで『平和国家』だというイメージが世界中に浸透している日本。実際に戦後、海外で誰一人として殺したことがない自衛隊。日本は停戦監視のために、うってつけの国なのだ」
 こういう立ち位置を日本が目指すことで、憲法9条や集団的自衛権の論議は、「敵から攻められたらどうする」といった内向きの脅し文句から解放されるのではないか。
 この二冊、切り口は違えども、テーマは通底している。セットで読むことをお勧めするゆえんである。

(芳地隆之)

 

  

※コメントは承認制です。
vol.226 憲法九条の軍事戦略/
集団的自衛権の深層
」 に10件のコメント

  1. 森正樹 より:

    護憲派は集団的自衛権の問題を強調しますが、今改憲派が口を揃えて言っているのは、アメリカは頼りにならなくなりつつあるから、自分の国は自分で守れるようにしようということです。「日本軍事情報センター」によると、アメリカは10年以内に前方展開戦略を止め、日本に基地だけ残して米軍を撤退させ、有事の際にはハワイや米本土などから駆けつける緊急展開戦略に転換するそうです。日本から米軍がいなくなったときに改憲を発議されたら、護憲派はどう反論するのでしょうか?松竹氏を尊敬しつつもあまり評価できないのは、護憲派は防衛政策に関する限り現実の後追いをしてきただけなのに、九条が本当に変えられそうになってきたので、敵基地攻撃能力など護憲派が従来反対してきた九条の拡大解釈や安保すら容認することに切り替えたように思えるからです。
    中国は2030年までにGDPでアメリカを抜いて国防費は日本の5倍以上になり、国産空母6隻と新鋭機1000機を配備するそうです。また2050年までに中国のGDPはアメリカの2倍になって空母15隻を保有し、台湾・韓国は中国の影響下に入り、アメリカは日本本土とハワイを守るのに精一杯になるという予測もあります。中国はバブル崩壊や体制崩壊すら噂されるようになってきて、順調一途に発展するとも思えませんし、その軍事技術を低く見る向きもあります。しかし中国の超大国を目指す国家意志は非常に強固なもので、長期的には深刻な脅威になるのは間違いありません。アジアから日本の影響力を削ぐのを国策にしている国の脅威から目を背け、善意で接しようとするのは、国際社会を知らない日本人のおめでたさのあらわれではないでしょうか?
    多極化の時代に九条を守るのが正しいことなのか、正直確信が持てなくなりつつあります。

  2. 花田花美 より:

    「自分の国を自分で守れるようにしよう。」
    というのは改憲派の建前論。
    そういわないと、誰も賛成しないから。
    本音は、9条のしばりを外して自衛隊をアメリカに都合よく動かせるようにするため。
    政府が集団的自衛権を認めたがっているのもアメリカのため。
    米軍基地が守ってきたのは、米軍であって、日本ではない。
    基地周辺はヘリ墜落・米兵犯罪などの危険にさらされてきた。
    世界各地、米軍に反感をもつ人々からの危険にもさらされている。
    いちばん現実的でないのは中国と戦争をすること。
    核爆弾200発もった国と戦争はありえない。日本壊滅は目に見えている。
    外交で切り抜けるしかない。戦争は無理だから。
    政府が暴走しないように、9条のしばりが必要です。

  3. 森正樹 より:

    僕ももうしばらくは九条を守るほうがよいと思いますが、アメリカの弱体化が本当に明確になった時は改憲に踏み切るべきです。
    尊敬する松竹氏に皮肉を言いたくはありませんが、「防衛戦略のある護憲に前進」と書いていますが、50年前に(護憲派に)出来ていなければいけなかったことを今頃出来るようになったからといって、さして立派なことだとは思えず、むしろ恥ずかしいことではないでしょうか。
    護憲派左翼は軍事に対する無知・偏見、反米主義のバイアスが強すぎると思います。 
    外交で問題を解決といっても、軍事力の裏付けがなければフィリピンのように中国に翻弄されるだけです。
    沖縄から米軍を追い出せば、すぐにでも人民解放軍が進駐しにきかねません。
    中国は核の先制不使用を明言しているし、フォークランド紛争等の例から明らかなように、核は局地紛争程度で簡単に使用できる兵器ではありません。
    花田氏には、小川和久氏・江畑謙介氏等の著作や、「リアリズムと防衛を学ぶ」「海国防衛ジャーナル」「日本軍事情報センター」等のサイトで、偏見なく軍事について学ぶことをお勧めしたいです。

  4. いぶし丼 より:

    俺に軍事の事はよくわからない。
    日本を軍事大国にしたい人達は「軍事と戦争を混同するな」とか「安全のために武装するのは当たり前、丸腰で暴漢と戦えるか」とか言うんだけど、本当にそうなの?
    いくら俺でも警察官が拳銃を携帯しているのは人を殺すためじゃない事ぐらい知っている。でも、もし警察が人のために法を行使するのではなく、法を行使するために人を貶めるようになったならそれは間違っている気がする。

    今、憲法が禁止している軍事は、実質的に「国が人を使って人を殺す事」くらいじゃないの?殺すまでいかなくても武力で制圧するならそれは「国が人を使って武器で脅す事」だよね。
    国民主権に照らし合わせれば国の主体は我々一人一人の事。つまり「この国の法の保護下にない者達を我々が殺したり脅したりして良いの?」って話だと思うんだけど。
    それって憲法を変えてまで叶えるべき事なのかな。

    この国は今、日本の歴史から「敗戦」の二文字を「なかったこと」にしようとしているんだよ?
    具体的にはこんな3つの願いを叶えることさ。
    1.敗戦の象徴である憲法を塗り替える
    2.勝者の象徴である国連に常任理事国として名を連ねる
    3.国力世界一である事を世界に証明する
    たったこれだけの事のために、日本は「戦える国」を目指し、美しく強靭なピラミッド構造に書き換えられようとしているんだ。
    仕事をするにも許可が必要、街を歩くにも監視が必要。
    そろそろ自由と平等の国じゃなくなりそうだ。

    国民を縛り上げてまで実現したこれらの悲願が見事に叶えられた後の事なんて多分何にも考えてない。「危険な独裁者が現れそうならきっとアメリカがなんとかしてくれるだろう。その為に軍事権限の一部を委ねるんだから」その程度のもんだと思うよ。
    きっとどんな政策も俺達のためには使われない。初めから俺達のほうなんてほんのちょっとも向いていないんだもの。

    勿論当てずっぽうで言ってる訳じゃない。言葉こそ違うがどれも首相の発言や政府の法案が元ネタだ。
    いかにもバラバラな政策のひとつひとつが一体何の意味を持つかを「主権者である俺はこう理解した」ってだけの話。秘密情報ですらないよ。
    政府の思惑を確信したのは半年も前のこと。覚えているかい?あの万歳三唱を。
    俺はこの国の国民主権がまだ生きていることを信じてこれを書いているけど、他の主権者さん達はどう思うだろう。

    これらがもしよその国の国策だったら、俺は当然反発するよ。
    「ふざけんなお前らいったい何様のつもりだ。俺達の上に立つつもりでいるのかよ!」って。
    なら世界が今、日本をどういう目で見ているかわかるでしょ?

    このまま進み続けるのなら、きっと世界地図から日本の文字は消えてしまうだろう。怨恨の連鎖を止める手段は昔も今も変わらないから。もしそうなれば首相の名は日本史じゃなく世界史に刻まれる事になるけど、それでいいのかな?
    俺の見立てでは今の首相はこれまでの、聞くだけ首相、言うだけ首相、謝るだけ首相のどれとも違う、自ら客寄せパンダを「演じる首相」だ。ブレーンは他にいる。
    そのブレーン達はきっと敗戦に強いコンプレックスがあるんだろう。だからなぜ日本が世界に羨まれる国になったのかを客観的に判断できないんだ。

    教会の隣に寺院がある国が他にあるかい?
    他人の喜びを自分の喜びとして感じられる理由は何だい?
    世界に誇る多様化した文化はなぜ生まれたんだい?
    競争が弱者を産み出さなかった理由は何だい?

    この国の強みは憲法が誇る自由、平等、平和さ。
    それを感じられなくなったら日本なんてくだらない国だよ。
    国を維持して立て直すにはまた鎖国でもするしかないだろう。
    つまり戦後レジュームから脱却すべきは我々ではない。いつまでも負け犬根性を捨てられない我々の「脳味噌」だってことさ。

    それでも憲法を変えるべきなのかな?

  5. 森正樹 より:

    僕は脱原発など左翼の主張には共感するものも多いのですが、国防に関する限り左翼は非武装中立とか安保破棄とか、国家の存立すら危うくする主張を唱えてきました。ポピュリズムに迎合せず、自衛隊を整備し、安保を維持してきた政府の方が正しかったのです。
    中国ともなかよくすればよいですが、安保を破棄したら台湾はすぐ中国に併合されかねません。我々は日本だけでなくアジアの平和にも責任を負っているわけで、沖縄の基地の負担は軽減されるべきですが、安保自体は絶対必要です。
    僕が「マガ9」に投稿し始めてから学んだ最大のことは、経済的搾取を除けば、日米同盟が日本の安全のために不可欠であること、世界最強国のアメリカが敵ではなく味方であるのは、日本にとって実に幸運であることです。左翼には反米の人が多いですが、安保を破棄したら中ロ北のように対米戦を想定して国防を考えねばならなくなり、九条どころではなくなります(中国との有事にも単独で対処しなければならなくなります)。
    日米同盟が健在である限り、九条も他の条文も変える必要はありませんが、マルクスの思索が大英帝国においてこそ可能であったように、九条をめぐって議論したり、アメリカを批判したりする自由だって、ある意味アメリカの軍事力が保証してくれているものなのです。

  6. いぶし丼 より:

    相変わらず隣の国は日本を挑発し続けているみたいだね。
    何でそんなに周辺諸国が日本を敵視するのか考えてみた。
    物事いろんな思惑が同時発生するものだから当然これが唯一解だとは言わないけど。

    中国は別にセンガクなんて本当はどうでもいいんだ。領有権はこれまで通り棚上げしようって一時はむこうも言ってたでしょ?強硬姿勢を見せたのは日本のほう。実際には紆余曲折あったけど少なくともむこうはそう感じている。
    大体あれっぽっちの資源を手に入れるより、日本と仲良くするほうがずっと大きな国益になるのは分かりきった事だよ。
    どうして領土を主張し始めたのか、世界に冷ややかな目を向けられてまでやらなきゃいけない事とは何か。

    言いたいことはたったひとつ。
    「世界の支配者になろうなんて思い上がるな。先の戦争を忘れたか。」
    中国は日本の指導者を敗者のジレンマに陥れる事でそれを思い出させようとしているんだろう。

    安い挑発に乗って日本が手を出せば、国連の力で敵国条項の張本人を叩き伏せる事が出来る。それがわかっているから日本も安易に手を出せない。
    でも「日本は繰り返し脅しを受けている被害者だ。中国に国連資格はない」なんて訴えでもしようものなら、日本は牙を抜かれた敗戦国「戦えない国」であることを世界に晒す事になってしまう。
    日本が自ら陥っている敗者のジレンマがある限り、手も足も出ないってことさ。

    憲法を守る気があるならこう言うだけですむのにな。
    「我々は憲法に掲げる平和理念に則って、世界の如何なる戦争にも反対する。それこそが先の対戦で大きな過ちを犯した我が国が、世界に向けて果たすべき大きな責任である。日本が誇る自衛隊は他国侵攻のためにあるのではない。戦争という凶事から民衆を守るため、そして世界平和の理念に則り世界の民をありとあらゆる災いから救うためにある。慢心することなく世界と力を合わせてゆく事を改めてここに誓う。」
    別に現状と何にも変わらないから嘘はひとつもない。

    ってなわけで、中国にとっては何の特にもならない挑発行為にも多少の意味はあったのさ。
    俺もそうだけど日本人の大部分がそんな気持ちにはちっとも気づいてないんだから、高い軍事費払って捨て身の訴え起こした甲斐がないよね。中国の面子も丸潰れだ。

    韓国だって言いたいことは同じさ。やり方はいかにもマズいけど、韓国はあれを言うしか方法がないからね。
    そういやロシアも中国とおんなじことやってたなあ。
    これだけ日本の周辺諸国が日本に対して危機意識を持っているのに、アメリカがこれに噛んでないなんてこと、あると思う?

    結局日本は試されているのさ。
    尊大な態度に自分で気づく事ができるのかどうかを。
    気付けないなら日本の帝国主義は根っからのもんだ。
    ならば「敵国条項」は永遠に外せない。
    わざわざ領土問題を持ち出したのも、それが「帝国主義の象徴」だから。

    どの国も日本と戦争する気なんて初めからなかった。
    こじれにこじれたけど、元々伝えたかったのはただひとつ。
    日本が世界の中で演じるべき役割は、決して世界の支配者ではないって事。

  7. くろとり より:

    いぶし丼さんへ
    たびたび横から失礼します。
    軍事のことがよくわからないなんて恥ずかしげもなく堂々と言わないでください。
    軍事は外交の一手段です。専門家ほど詳しく知る必要はなくても日本が今どのような状況に置かれているのかくらいはわかってください。
    今、遅れてきた帝国主義国家、中国が日本を含むアジア各国に軍事的プレッシャーをかけている。
    今の日本の動きはあくまでそれへの対抗策です。
    だからこそ、日本の集団的自衛権について特定アジア以外反対しないのです。
    日本が世界の支配者になる?、日本の軍国主義? ありもしないことをしたり顔で言わないでほしい。
    なぜ日本から軍事的行動を仕掛けることばかり考えるのですか? あくまで外国からの軍事的行動を防ぐために備えているだけなのです。

  8. いぶし丼 より:

    くろとりサンへ。
    長くてゴメンね。でも真面目に書いた。

    わからない事をわからないと言うのはちっとも恥ずかしいことじゃないよ。わかりようがないものをわかった気になっちゃうほうがずっとマズい。
    だって前の戦争でどれだけの命が犠牲になりどれだけの人生が無駄になったのかなんて、俺もわからないし誰にもわかりようがないだろう?
    でも人の痛みを想像することはできる。
    わからない事より考えない事のほうがずっと恥ずかしいことさ。それにこの問題に関しては「誰の特になるのかわからない」という気持ちの方が大きい。

    そして俺の気が確かなら、日本の帝国主義は「ありえないこと」なんかじゃない。実際に「あったこと」だ。それは世界中が知っている。
    そういう状況に追い込まれて行く時代背景もあっただろうが、もし歴史から何も学ばないならもう日本終了でも仕方ないだろう。
    中国や韓国は支配された側の国だから日本の動きに過剰反応するのは当たり前。日本の統治も悪いことばかりではなかったらしいが、少なくとも国の為政者にとって称えるべき歴史ではない。

    初めから悪いことしてやろうと思って生きている人間なんていないよ。みんな誰かの役に立ちたいって必死さ。でもひとりひとり人生の役割が違うから運が悪けりゃ結果も悪くなる。だから自分を主張し相手の主張を聞くことが大事なんだ。
    自分の姿を省みることもなく、相手の気持ちを知ろうともしないまま自分だけが正しいのだと主張を譲らぬなら、いくらなんでも外交とは呼べない。それがお互い様なら尚更に自分を省みるべきだ。

    中国を「遅れてきた帝国主義」と称するのも聞いたことがあるけど、発言者は「帝国時代はとっくに終わった、今更何をしているんだ」という気持ちなんだろう。だが帝国主義を語るからには支配権を奪い合う競争相手がいるはずさ。それがどこの国の事を指すのかを忘れちゃ困る。それも含めた皮肉の言葉と俺は理解している。
    俺が思う今の中国の役割は「日本を写す鏡」だよ。最近じゃ特定秘密保護法まで鏡に映しはじめた。当然日本が文句を言えた義理じゃない。

    近隣じゃない小さな国の思惑など知る由もないが、普通に考えて日本と仲良くするのは国益のためだ。富のある国と仲良くできなきゃ小さな国は維持できない。だが軍事に関しちゃ「独立国として尊重し守ってくれる相手」なら別にどこでもいいはずさ。
    そういう働きは本来国連の役目だろう。だから日本は躍起になった。でも中国があれだけやっても国連を追い出されないのに日本がそこに割り込めるワケがない。勿論中国だけじゃない。昔はソ連とアメリカの対立が長いこと世界を氷漬けにした例もある。どれもこれもウソっぱちの平和ってことさ。

    日本が国連で権限を得るなんて今後も不可能だし仮にそれをしたところで嘘の平和理念じゃ意味がない。だったら余計にこう言うべきなんだ。
    「日本は如何なる戦争にも反対する」
    そうすれば日本の立場は明確になり、世界に対する一定の発言権を得ることができる。世界の小さな国々の立場を代弁し、守っていく事にもスジが通る。他国の軍事に口出ししても、これまでみたいに「内政干渉」の一言で終ったりせず、ある程度の譲歩を引き出すことさえ可能になる。

    大体「集団的自衛権」なんて阿呆くさいものを「使える」なんて本気で信じてる人いるのかな?
    もし世界中の国々がその名目で「あそこが戦ってるなら我も我も」と連鎖的に参加してしまえば、世界大戦の時と状況は何にも変わらないでしょ。
    それで新たな世界大戦が起きないはずがないし、そうなりゃ否応なく人は死ぬ。
    しかも前の時と違って核はいつでも使える状態にある訳だし、それは十中八九まっすぐに東京へ落とされるはずだ。敵を降伏させるのにアメリカの僕である日本など残す必要はないし、そもそも日本に二度目の敗者復活を与える義理もない。
    世界のどこかで一旦火がつきゃ滅亡まで一直線なんだから、自国にとっても同盟国にとっても防衛力としては役に立たない。
    人類が運に頼らず生き残るには、戦争を未然に防ぐ以外の道はないのさ。

    繰り返しになるが、この国はまがりなりにも国民主権をうたっている。だから実態がどうであれ国がすることは全て国民が命令してやらせたのと同じ意味を持つ。
    だったらこの国が他国の民に向けた銃口は、俺自身が引き金を握っているのと同じことさ。俺にはとても耐えられない。
    「そんな理由で国民が罪に問われるなんてことはありえない」とかの野暮は言わないでね。掲げる理念を必要としないならそれぞれの国が好き勝手にやればいい話で、そもそも外交や法律なんて要らないんだから。

    悪い見方をすれば他国の首席も自国の首相も得体の知れない他人だよ。どこまで信じていけるかは状況次第さ。
    ただ多くの日本人にとって他国のシステムに殺される確率より自国のシステムに殺される確率のほうが何倍も高いのは確かだ。
    故に為政者は自国の動かし方には細心の注意を払う義務がある。
    日本には立派な憲法があるから少なくともよその国に住むよりよりずっと暮らし易いが、それが失われるなら日本であり続ける意味がない。もうすぐこんな議論すらできなくなる。

    そもそも俺の理解では国など人類が生きるための道具にすぎない。国の形がどうであれ人は人との関わり合いで生きている。それをいかにも「国があるから生きられるんだ有り難がれ」などと命令するのは単に為政者の権威を示すためさ。その方が楽だから。
    だが人が道具をきちんと操れなくなれば必ず人を巻き込む事故になる。為政者に事故を起こさず安全運転をしてもらうためには牙のない国くらいが丁度良い。万一事故が起きても被害は最小限ですむのだし、日本が強面でいるよりも優しい顔を持っている方がよその国ともうまくいく。

    この国が軍事行動を仕掛けるのを止めることなど他国の民にはできない。
    それができるのは日本という国に命令する権利を持つ我々だけだ。
    だから俺は声を上げ続けるんだ。
    「日本よ、俺に引き金を引かせるな。誰かの人生を不幸のうちに終わらせる権限など俺にも誰にもないはずだ。」

  9. くろとり より:

    いぶし丼さんへ
    コメント読ませていただきました。ウチの環境では長文投稿が出来ないので方法を教えてほしいですね。
    さて、本題です。これはいぶし丼さんに限った事ではなく、マガジン9全体の雰囲気としてある様に思えるのですが「日本は悪であり、永遠に反省しないといけない」「為政者は国民を弾圧するものである」「軍事など必要ない」という考えに囚われている様に思います。
    過去、世界中の国が帝国主義の時代であったころに日本が帝国主義であったからと言っていまだに日本に帝国主義があるような言い分や、どこの国でも持っている集団的自衛権を日本が持つことを否定したり、類似の法律はどこの国にもあるのに日本の特定秘密保護法のみ否定したり、ts国のシステムに殺されることを心配する前に自国のシステムに殺されることを心配することの様ないぶし丼さんのコメントが典型でしょう。
    今の日本の周辺環境は決して楽観視できる状況ではありません。安倍総理は平和裏に日本を守るために必要な行動を行っているのです。

  10. たかはしたつお より:

    全世界どこの国にも「自衛権」は保障されている、と主張する。
    私もそう思う、しかし私の言う「日本を自衛する方法」は1.軍事力を持たない。2.外国軍基地を持たない。3.意見の相違が起きた時には、最後ま外交交渉で解決する事を求める。4.国連に持ち込む時にも、日本には「軍事力」がない故、あくまで話し合いで解決するまで終了しない。5.途中で他国が軍事力で参加する事を拒否する。
    これが、私の「日本における自衛力の行使の方法」であり、他国にも広めたい「世界平和の保持」の方法である。

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