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 マガジン9の連載「三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記」などでもお伝えしてきましたが、昨年、沖縄本島北部・高江でのヘリパッド新設工事を強行するために、全国の機動隊が沖縄へと派遣されました。平和な暮らしや子どもたちの未来を守りたいという思いで集まった人々を、大勢の機動隊員が排除していく様子は異常そのものでした。高江に駆けつけたいと思いながら、SNSなどで流れてくる様子を歯がゆい思いで見ていた人も多いのではないでしょうか。
 いま、「こうした機動隊派遣を、私たちの手で止めることはできないのか?」と、東京都で住民訴訟を起こしている人たちがいます。考えてみれば、機動隊は私たちの税金によって派遣されているのです。自分たちの権利を使うことで、さまざまな角度から沖縄の問題にかかわることができるのではないしょうか。その方法の一つとして、この訴訟を取り上げたいと思いました。
 この住民訴訟の原告で、実行委員を務める小禄鶴さんに、これまでの経緯や今後の裁判について書いていただきました。 

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警視庁機動隊の沖縄への派遣は違法 住民訴訟について

 2016年7月11日、警察庁は、警視庁(東京)、千葉、神奈川、愛知、大阪、福岡の6都府県警に、沖縄への特別派遣指示を通知しました。それから12月までの約5ヶ月間、500名以上の機動隊員が、県道封鎖、検問、市民や車両の強制的な排除などを行い、沖縄県北部のやんばるの森でのヘリパッド新設工事の強行を可能にさせました。

 そもそも都道府県警察の本質的性格は、国家警察ではなく「自治体警察」が原則です。警察は「国策」ではなく、市民の暮らしを守るもの。市民を監視・規制の対象とするのでなく、市民から信頼を得て初めて、その存在意義が成立するのではないでしょうか? また、高江の150人ほどの集落に、500人以上もの機動隊派遣はあまりにも過剰です。これは、住民合意のとれていない工事を強行するために、警察庁が市民の抗議行動を排除・抑圧する目的として指示したのでしょう。

 辺野古で20年近くも海の埋め立てを防いできたように、高江でも10年近く座り込みで工事を止めていました。この事実と行動が、最も尊重されるべき沖縄の人々の思いではないでしょうか? 

 工事は強行されましたが、ずさんな工事を急いだために、新設されたヘリパッドはまだ使用できないような状態です。今後は、このヘリパッドをずっと使用させないこと、オスプレイ等の飛行を止めるための行動が必要です。海の埋め立てが間近に迫っている辺野古も今が正念場です。一人でも多くが現地に行って座り込みに参加する必要があります。

 同時に、もう一つ考えてみたいことがあります。それは、「なぜ、私たちは機動隊派遣を止めなかったのか?」ということです。警視庁機動隊は、辺野古でも市民排除に積極的にかかわりました。こうした機動隊派遣を止めていたら、防げたことが多くあったでしょう。

 2016年10月、高江での工事を止めたいという思いから、私たちは東京都民として、機動隊派遣が都税の不正支出という主張のもとに、住民監査請求を行いました。

 都道府県警察は、それぞれの都府県税から給与を受け取っていますが、東京都の場合、ヘリパッド工事強行に動員された警視庁の警察官に支払われた給与は、合計で約2億8千万円と「推定」されます(情報開示請求に対して、警視庁は派遣詳細を黒塗りで回答しています)。私たちは、沖縄で市民の強制排除に従事させた警察官に、都税から給与を支払うことを認めません。この住民監査請求は、沖縄県の米軍基地建設の強行に市民は与さないという意思表示とともに、工事を止めるための行動でもあります。また、沖縄への派遣元になった他の5府県でも同様の監査請求が行われました。

 監査請求は、東京、千葉、神奈川、大阪、福岡で『却下』されましたが、東京では、その結果を不服として原告183名、弁護団61名で、東京地裁に提訴しました。それが、「警視庁機動隊の沖縄への派遣は違法 住民訴訟」です。

 第1回の口頭弁論は、2017年3月8日に開かれました。まだ、これからの裁判で具体的な審議がされるかは分かりません。東京地裁に誠実な審議を求め、工事の不当性とヘリパッドの使用を止めるためには、多くの注目と議論が必要です。ぜひ一緒に声をあげ、裁判を傍聴しに来てください。また、福岡では弁護士なしの本人訴訟で頑張っています。こちらも是非ご注目ください。

〈第2回口頭弁論〉
日時:2017年6月21日(水)11時半開廷
場所:東京地方裁判所103号法廷(東京都千代田区霞が関1-1-4)
・傍聴券は抽選になる場合があります。開廷40分前までにお越しください
・10時半から地裁前アピールを行います。こちらもご参加ください
・終了後、弁護士会館にて報告会を予定しています

※第3回目の口頭弁論は、9月20日(水)です。

(「警視庁機動隊の沖縄への派遣は違法 住民訴訟」原告 小禄鶴)

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→ブログ:https://juminkansaseikyu.wordpress.com
→FBページ「警視庁機動隊の沖縄への派遣は違法 住民訴訟」
→連絡先:juminkansaseikyu@gmail.com

 

  

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